『十大弟子のバスケ大会』の元ネタ・モデルを解説。びじゅチューン!の作品紹介

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。

今回はびじゅチューン!『十大弟子のバスケ大会』のモデル(元ネタ)を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

『十大弟子のバスケ大会』のモデル

著作権の関係上、画像は下のリンクからお願いします。

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タイトル二菩薩釈迦十大弟子(にぼさつしゃかじゅうだいでし)
作者棟方志功(むなかたしこう)
制作年1939年、1948改刻 1967年摺
材料/技法板画(版画)
寸法それぞれ高さ103cm×幅37cm
所蔵宗像志功記念館ほか

『十大弟子のバスケ大会』の元ネタ・モデルは

[su_highlight background=”#fbf808″]棟方志功作『二菩薩釈迦十大弟子』[/su_highlight]です。

現在は宗像志功記念館(ほか)に所蔵されています。

二体の菩薩さまと十人の弟子が版画で作られ

合計12枚の作品で一つのセットになっています。

屏風仕立てになっているものが多いです。

中央に十大弟子、両端に菩薩さまが配置されます。

作者である棟方志功自身が彫り上げた木の版を

摺って版画の作品にしました。

棟方志功ってだれ?

宗像志功は日本を代表する版画家です。

版画のことを「板画」と言い、

木の板の木目を生かした作品を作り続けました。

版画の他にも、油絵も描きました。

1956年にイタリアの国際美術展

(ヴェネツィア・ビエンナーレ)に板画を出品すると

版画部門で初の国際版画大賞を受賞し

「世界の棟方」と呼ばれるようになりました。

『二菩薩釈迦十大弟子』には何が描かれているの?

『十大弟子のバスケ大会』のモデル・元ネタである

『二菩薩釈迦十大弟子』は

仏教の開祖である釈迦の弟子の中で

特に優れた10人の弟子(十大弟子)

菩薩二体が木の板に彫られて、

版画として摺られています。

この作品は下絵なしで

わずか一週間で彫り、仕上げられたといわれる作品です。

宗像志功いわく

「私が彫っているのではありません。

仏様の手足になって、ただ転げ回っているのです」と言い残しています。

(実際は着想から1年以上考えられ、何百枚も習作が作られているので

かなり入念に制作されています。)

十大弟子は

  1. 舎利弗(しゃりほつ、シャーリープトラ)
  2. 目鍵連(もっけんれん モッガラーナ)
  3. 優婆離(うぱーり ウパーリ)
  4. 須菩提(ずぼだい スプーティ)
  5. 阿難陀(あなんだ アーナンダ)
  6. 羅睺羅(らごうら ラーフラ)
  7. 魔訶迦葉(まかかしょう マハカーシャパ)
  8. 阿那律(あなりつ アヌルッダ)
  9. 富楼那(ふるな プンナ)
  10. 迦旃延(かせんねん カッチャーヤナ)

の十人のこと。

菩薩さまは

  1. 普賢菩薩(ふげんぼさつ サマンタバドラ)
  2. 文殊菩薩(もんじゅぼさつ マンジュスリ)

の二体のことです。

呪文みたいな漢字ですが、

ひとりひとり説明していきます。

釈迦十大弟子

釈迦の十大弟子のそれぞれのエピソードを紹介します。

舎利弗(しゃりほつ、シャーリープトラ)

智慧第一(ちえだいいち)と呼ばれる弟子です。

その賢さは仏教に入る前に、

ある弟子の説法の一部を聞いただけで

悟りの一段階目に達するほどです。

舎利弗は古代インドのカースト制度の

一番上に位置する司祭階級(バラモン)の出身です。

生まれながら聡明でバラモン教を学んでいましたが、

だんだんとバラモン教に不信感を募らせるようになります。

そして後で紹介する目鍵連(もっけんれん)と一緒に

様々な修行や思想に触れます。

その中で釈迦の弟子であるアッサジと出会い、

釈迦の教えの一部を聞いた途端、すぐに悟りの一段階目に達しました。

そして、当時入信していた教団の弟子250人と共に

釈迦教団(仏教)に改宗します。

その聡明さから智慧第一(釈迦の弟子の中で一番頭がいいよ!)と称されています。

目鍵連(もっけんれん モッガラーナ)

舎利弗と一緒に仏教に改宗した弟子です。

こちらも舎利弗と同じバラモン出身の母を持ち、

幼いころから舎利弗と仲良しです。

容姿端麗(イケメン)で学問に精通しています。

家良し、頭良し、顔良しの、最強てんこ盛りキャラクターです。

そんな彼はある時、舎利弗と年に一度の大きな祭りに行ってみました。

そこで人が騒いで遊んでいる様子を見ていると、むなしくなってしまいました。

ああやって欲望で動いているうちに、いつの間にかみんな儚く消えていく。

「自分はなんで生きているのかわからない」

となり、出家を決意します。

そのとき舎利弗とともに500人の青年を引き連れて

ある教団に入信しますが、その教えに満足しませんでした。

そのご舎利弗(しゃりほつ)が

「釈迦のおしえ、すごいいいよ」と薦め、

一緒に仏教へ入信します。

そんな彼は神通力がすごく

神通第一(じんつうだいいち、神通力が一番すごいよ!)といわれています。

神通力で釈迦をすくうエピソードなどもあります。

他にも提婆達多(だいばだった、デーヴァダッタ)を

地獄から救うエピソードもあります。

ちなみにデーヴァダッタは後に釈迦を裏切ります。

(私は彼のことを「仏教界のユダ」と個人的に命名しています。)

優婆離(うぱーり ウパーリ)

ウパーリはインドのカースト制度の下から二番目シュードラの出身です。

王子時代の釈迦(シッダルタ)の執事や理髪師だったと言われています。

持律第一と言われ、仏教の戒律(ルール)を編纂する中心人物となります。

仏教はもともと口だけで伝えていたのですが、

それをちゃんと文章化したという点でウパーリは優れています。

須菩提(ずぼだい スプーティ)

彼の出生については諸説ありますが、

古代インドの商人の子供だと言われています。

彼の有名なエピソードとしては「屋根なし小屋」があります。

あるとき、須菩提がある国に行ったとき、

国王が彼のために小屋を作ってあげました。

しかしその小屋には手違いで屋根がありませんでした。

そんなことをされても彼は一切文句を言わずそこに住み続けました。

天が彼の高い徳をほめ、彼が濡れないように雨を降らせなくします。

しかし農民たちは困るので、そのことを王に訴え、

王は屋根を付けると、すぐに雨が降り始めました。

そんな彼は空の思想(すべてのものは存在しないという思想)を

よく理解した解空第一とされ、

他人と争わず、円満な関係を築くことでも第一でした。

阿難陀(あなんだ アーナンダ)

アーナンダは釈迦の説法を一番長く聞いていたことから

多聞第一とされています。

彼のエピソードとしては

超イケメンだと言われており、

女難(女性にモテモテでそれが災いになること)

がたびたびあったと言われていますが

それらをしりぞけて修行を全うします。

そのご釈迦の身の回りの世話をしながら、

釈迦の入滅(人間でいうところの死)後、120歳まで生きます。

最後は空中爆発して死亡します。

(なんだか、漫画のキャラみたいな死に方です。)

羅睺羅(らごうら ラーフラ)

ラーフラは正しい修行をした密行第一と言われています。

仏教の開祖である釈迦の実の息子です。

6年間母親のおなかにいたと言われています。

釈迦の実の子供だからと

特別扱いを受けていましたが、

それにおごらず分をわきまえて

修行に励んでいました。

それにやたらめったら言わず

ひたすら修行に励んでいたことから

不言実行の実直な弟子であったと考えられます。

魔訶迦葉(まかかしょう マハカーシャパ)

釈迦の入滅後、仏教を継いだ二代目の教祖です。

頭陀第一と言われています。

頭陀とは、衣食住を最低限にする修行(頭陀行)からとられています。

また、釈迦の説法を文章化し、それを編集する長も務めています。

質素で清貧を極めた弟子だと言われています。

阿那律(あなりつ アヌルッダ)

天眼第一と言われています。

釈迦の従弟(いとこ)で、

阿難陀(あなんだ アーナンダ)と共に

出家しています。

彼は仏の前で居眠りをしてしまい、そのことを叱られてしまいます。

そこことをはじて、

「私は今後一切眠らない!」

と不眠不休の誓いをたてて、ひたすら座りつづける修行をします。

その後、無理な修行がたたったのか、

失明していまいますが、

そのおかげで天眼(目で見るもの以上のものがみえる眼)

を手に入れたとされています。

富楼那(ふるな プンナ)

またこの人も聡明でバラモン(頭がよくて金持ちで家もよい)

という仏門に入信する人あるあるの属性を持っています。

プンナは説法第一と言われる釈迦十大弟子のひとりです。

彼は十大弟子の中で最も年長者であり、説法が上手いとされています。

仏教における最高の悟り(阿羅漢果)を得て、各地に布教し、

そのしゃべり(説法)のうまさで9万9000人を仏教に

入信させたと言われています。

政治家とか芸能人にも向いていそうですね。

迦旃延(かせんねん カッチャーヤナ)

仏教について、道理をわきまえてわかりやすく

広く教えたことから釈迦からも絶賛されます。

そのため論議第一(理屈がしっかりしていてすごいよ!)と言われています。

仏教はなかなか理解が難しい宗教ですが、

それを民衆にもわかりやすくするという点では

かなり革新的な弟子であったと考えられます。

キリスト教の12使徒も人間らしくて面白いですが、

釈迦の十大弟子もひとりひとりキャラがたっていて

面白いですよね。

二菩薩

つぎに二体の菩薩さまについて解説します。

普賢菩薩(ふげんぼさつ サマンタバドラ)

普賢菩薩は世界に慈悲と理智(知性と知恵)を

顕(表現)して人々を救う菩薩さまです。

姿としては6本の牙を持った白い像の上に座っていることが多いです。

如意や蓮華、経典を手に持つこともあります。

いわゆるそれらの道具がアトリビュート(持物)ですね。

文殊菩薩(もんじゅぼさつ マンジュスリ)

文殊菩薩は知恵を司る菩薩さまです。

よく普賢菩薩とセットで描かれることが多く、

お寺では釈迦如来の部下のように

仏像がセットされていることがあります。

浄土寺にある阿弥陀三尊像(あみださんそんぞう)

姿は青蓮華(青い熱帯の睡蓮の花)や、剣(利剣)、

ヤシの葉に書かれた経典などを持っています。

『十大弟子のバスケ大会』の登場人物

観客席

観客席の「瞬け!弟子ファイブスター」側には

左から

アルルの訳あり物件』で

物件を探していた

茶ボブの女性。

『オフィーリアまだまだ』や『竜田川にフタをする

で有名ななまず。

歩く泡』や『博士、それ象牙多層球ですよ

で有名な博士とロボット。

ひとよだけ巡査』や『真珠の耳飾りのくノ一

で有名な刑事さんと。真珠の耳飾りのくノ一

が観客席にいます。

二人は『海の幸チューン』でデートをしていますね。

観客席の「響かせろ!弟子フハイファイブ」側には

左側から

鮭ミラーボール』で

登場した熊。猿。

電気さえあれば』で主演をつとめた

うさぎ。

土偶迷路』などで仲良しで登場する

ヴィーナス委員長三人組がいます。

梅あゆみ

梅あゆみはバスケの審判として登場しています。

紅白梅樹屏風グラフ』で主演をつとめていますね。

右下の歌詞係

右下の歌詞係は『二菩薩十大弟子』の作者

棟方志功だと考えられます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にも『びじゅチューン!』作品のモデル・元ネタをまとめて紹介しています。

そちらも是非ご覧ください。

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