びじゅチューン!『エスパーカフェ』の元ネタ『カフェにて』を解説

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『エスパーカフェ』のモデル『カフェにて』を紹介したいと思います。

この作品には一体どんな意味があるのでしょうか。

それではよろしくお願いします。

『カフェにて』の概要

タイトルカフェにて(アブサント)
作者エドガー・ドガ
制作年1876
材料/技法キャンバスに油彩
寸法58x42cm
所蔵オルセー美術館

この作品『カフェにて(アブサント)』は、フランスの画家エドガー・ドガによって描かれた絵画です。

エドガー・ドガ『自画像』

タイトル通り、カフェにて女性と男性がつかれているようななんだか物悲しい感情を持たせるような作品となっています。

アブサントとは、お酒の名前で、女性の前に描かれたグラスの中のものがアブサントだと考えられます。

アブサントの入ったグラス:安価でアルコール度数が高いため当時流行しました。しかし、中毒性や幻覚症状が出るため禁止されたお酒です。

女性のモデルは女優のエレン・アンドレ、男性のモデルは画家のマルスラン・デブータンと言われています。

女優:エレン・アンドレ
エドゥアール・マネによるデブータンの肖像画

実はこの作品が展覧会で出された当初、多くの批判がされました。いったいなぜでしょうか。

なぜ批判された?

『カフェにて』が批判された理由として、労働者階級の人々を主題にしたからです。

その時代の絵画ではある程度良い絵が決められており、そのルールによって作品が評価される時代でした。

①神話・宗教・物語画等のモチーフ
②写実的で感傷的な画風

が主なルールでしたが、ドガの『カフェにて』は①には属さない労働者階級であること。

②の写実性ではないことが批判された対象になったのでしょう。(今の時代だと普通に上手いと思いますが、その当時の人々の写実が凄まじく上手いのです。)

フレデリック・レイトン作『フレイミング・ジェーン』:当時評価されていた作品

このような作品がゴロゴロあった時代ですから、ドガの絵は写実とは言えないでしょう。

ミレイ作『オフィーリア』はこの時代の代表的な作品

特に①のルールを無視して、労働者階級を描いたことが批判の対象となりました。批判されるのはある意味当然のことであったと言えます。

『カフェにて』で表現したこと

この作品で注目すべき点はこの二人の男女です。

この男女は仕事終わりの労働者階級の二人と言われています。

男性の方は目が赤くなり、どこか遠くの方を、女性はうつろな目でどこか見つめています。

このように目がうつろである表現をすると、感情が希薄であることを感じ、また男女は隣に座っているのにも関わらず、目を決して合わせません。

また、机の脚が描かれておらず、机に浮遊感があります。

個人的見解ですが、机の脚をなくすことで主題をより強調することに加え、床ととつながっていないことにより、孤独感をより一層強調しているのではないかと考えられます。

つまりこの作品では都会の人々の冷たいともいえる感情の希薄さ、孤独感を表現した作品だと言われています。

まとめ

『エスパーカフェ』のモデル『カフェにて』はエドガー・ドガの作品であり、作品が表現したいことは都会の人々の感情の希薄さ、孤独感です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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