『グランド・オダリスクVS蚊』の元ネタ・モデルを解説。びじゅチューン!の作品紹介

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。

今回はびじゅチューン!『グランド・オダリスクVS蚊』のモデル(元ネタ)を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

『グランド・オダリスクVS蚊』のモデル

タイトルグランド・オダリスク
作者ドミニク・アングル(ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル)
制作年1814年
材料/技法キャンバスに油彩
寸法88.9 cm × 162.56 cm
所蔵ルーブル美術館

『グランド・オダリスクVS蚊』の元ネタ・モデルは

ドミニク・アングル作[su_highlight background=”#fbf808″]『グランド・オダリスク)』[/su_highlight]です。

現在はルーブル美術館に所蔵されており

ドミニク・アングルが描いた作品の中のなかの名画の

うちの1つと呼ばれています。

ドミニク・アングルってだれ?

ドミニク・アングルは19世紀をを代表するフランスの画家です。

当時、画家ドラクロワが表現していたのロマン主義に対抗し、

ダヴィットから新古典主義の表現を継承、

新古典主義の巨匠の中の一人として評価されています。

新古典主義

新古典主義とはデッサンと形を重視して、普遍的価値の表現を理想としました。

理想的で普遍的な真の美しさを求めた美術主義とも言えます。

新古典主義は古典の芸術(特にギリシャ美術)を最高のものとして、

それを当時の人たちが解釈、洗練されたものが新古典主義です。

新古典主義の前に流行っていた芸術様式の甘美で装飾的なロココ美術、バロック芸術への

反発だと考えられます。

簡単に言ってしまえば、前の時代に流行っていた

ロココ・バロックは装飾ばかりで表面的な美しさなんだ!

本当に美しいのは昔(古典)のようなしっかりとした様式で、

形を正しくしっかりと描いた芸術だ!

と主張しているのが新古典主義だと言えます。

『グランド・オダリスク』は当時不評だった!?そのわけは?

そんなアングルのグランドオダリスクですが、

当時発表されたときには大不評でした。

当時の批評家からは

「このように劇的でひねった姿勢には、

もうニ、三本の背骨が必要である」

と批評されました。

つまり、胴が長いと言いたいわけですね。

また、女性の足も引き延ばされており、

関節が外れているようにもの見えます。

改めて、グランド・オダリスクを見てみると、腕や胴、足が長いように見えます。

これにはちゃんとグランドオダリスク

の作者であるアングルの意図がありました。

アングルの師匠であったダヴィットの教えである

人間の形を極限まで理想化する

というものをアングルなりに解釈し、

人体を理想化したら、

このように現実の人間だったら、骨が外れたり

骨が多くないとつじつまが合わないまでに

歪めたのがアングルにとっての

理想の美しさだったのかもしれません。

胴長で足が長いのが好みなのかもしれませんね。

『グランド・オダリスクVS蚊』の登場人物

彼女のポーズは、脚をかいているようにも見えます。

怒りさえ感じる冷たいまなざし。唐突に持たれた扇。

この部屋の闇に蚊がいると仮定しさえすれば、

すべての行為に説明がつきます。

香炉からただよう煙すら、蚊取り線香のそれに見えてきます。

この絵が語られる時に必ず出てくる「身体の不自然さ」も、

蚊を警戒し、蚊を倒そうとする無理な姿勢だったのか?

蚊がいる夜中のベッドルーム。

何かがいる予感です。

蚊に手首をかまれてしまいます。

グランドオダリスクはそんな蚊を許せません。

手でそこだ!と打っても蚊は死なず。

今度は手に持っている扇で一撃!

それでも蚊を捕まえることはできません。

名ばかりの蚊取り線香、仕事をしてくれ。

とグランドオダリスクは思ってしまいます。

かゆいし眠い。

グランドオダリスクは腕を伸ばして、蚊を捕まえようとします。

全然捕まえれられない蚊。

あきらめて朝を待ちます。

と蚊がほっぺについて一撃。

グランドオダリスクは蚊を撃退できましたね。

右下の歌詞係

右下の歌詞係は『グランドオダリスクVS蚊』のモデルである『グランド・オダリスク』の作者

ドミニク・アングルです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にも『びじゅチューン!』作品のモデル・元ネタをまとめて紹介しています。

そちらも是非ご覧ください。

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