『出会えないりんごとオレンジ』の元ネタ・モデルを解説

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岩下幸円(イワシタコウエン)
愛知県在住の芸術家。 独学で絵を学びたい人に役に立つ情報をシェアしています。 色彩検定2級を取得。 小学校教諭一種免許を取得。 寝ている生物(特に猫)が好きです。

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『出会えないりんごとオレンジ』のモデル(元ネタ)を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

『出会えないりんごとオレンジ』の元ネタ

タイトルりんごとオレンジ
作者ポール・セザンヌ
制作年1899年
材料/技法キャンバス/油彩
寸法74×93㎝
所蔵オルセー美術館

『出会えないりんごとオレンジ』のモデルはポール・セザンヌ作『りんごとオレンジ』です。

ポールセザンヌの肖像

この作品が展覧会に出されると批評家からはひどく非難され嘲笑(ちょうしょう)されました。

しかし、ゴーギャンやゴッホなど後の巨匠たちはセザンヌを「心の師匠」や「完璧なお手本」と呼びました。

なぜそう呼ばれるのでしょうか。

今までになかった視点

セザンヌの「りんごとオレンジ」は実は隠された技術があります。

描かれているものはりんごとオレンジ、そして皿と白い布。

とてもシンプルに見えますが、革新的な手法が盛り込まれています。

画面に描かれた三つの食器を見てみると、少しだけ見え方が違うことに気づくと思います。

特に中央の柄がついた食器は歪んでいます。

これはセザンヌが下手だから?

いいえ、これは「多視点」と呼ばれるものです。

今までの絵画は、固定された視点で現実をありのまま描くことが常識でした。

固定された視点である一点透視法の絵:レオナルドダヴィンチ作『最後の晩餐』

その常識をセザンヌは覆しました。

多視点を行うことで必然的に画面が歪み、物体も歪むのです。

様々な視点を一つの画面に取り入れることは、それを徹底的につきつめたピカソやブラックの「キュビズム」につながります。

まとめ

『出会えないりんごとオレンジ』のモデルはポール・セザンヌ作『りんごとオレンジ』です。

彼は固定された視点から絵を開放し、後のキュビズムなどに大きな影響を与えました。

『出会えないりんごとオレンジ』の登場人物・小ネタ

右下で歌詞をくるくるしている人は元ネタの作者でポール・セザンヌの肖像がモデルではないかと考えられます。

りんごとオレンジがメールをしていると絵文字には『ツタンカーmail』で使用されたツタンカーメンが使用されています。

歩く泡』や『博士、それ象牙多層球ですよ』で博士の助手をするロボがスタンプとして登場しましたね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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