みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。
今回は「グリザイユとカマイユの違い」を紹介していこうと思います。
よくグリザイユとか、カマイユとか聞きますが、いまいち違いがよく分からない・・・
ということありますよね。
そこで今回はグリザイユとカマイユを説明しながら、その二つの違いを紹介していこうかなと思います。
それでは宜しくお願いします。
グリザイユとは
グリザイユとは他の記事(グリザイユの意味とは)でも解説していますが、
フランス語の「Grisaille」から来ています。
初めの「Gris」はグレー(灰色)を意味しており、
「灰色と白、黒だけで立体を表現している絵画」のことです。
ちょうどモノクロ写真のようになるわけですね。
カマイユとは
ではカマイユとは何でしょうか。
カマイユはフランス語「camaïeu」からきています。
意味は「単色で描かれた絵」を意味します。
つまり、茶色から白色のグラデーションで描かれたものも「カマイユ」ですし、
緑色から白のグラデーションで描かれたものも「カマイユ」になります。
よく有色下地(インプリマトゥーラ)の上に描かれることもあります。
グリザイユとカマイユは○〇と○○ぐらいの違い
例えるならグリザイユとカマイユはテニスとスポーツぐらいの違いがあります。
グリザイユは「テニス」、カマイユは「スポーツ」です。
スポーツの中にテニス、野球、バスケットボールが含まれています。
つまり、カマイユの中に、グリザイユが含まれているわけですね。
グリザイユの仲間たち
そうなると、グリザイユには他の仲間たちがいるということが分かります。
代表的な例を紹介します。
グリザイユの仲間1:シラージュ
シラージュはフランス語「cirage」からきています。
フランス語「Cire」は蜂蜜『ハチミツ』を意味します。
つまりハチミツ色のグラデーションで描かれた単色画を言います。
イエローオーカーや、ローアンバーなどを混ぜた色がこのシラージュに含まれる可能性があります。
グリザイユの仲間2:ブルナイユ
ブルナイユはフランス語「 brunaille」から来ています。
「Brun」はブラウンを意味しており
茶色のグラデーションで描かれた単色画と言う意味です。
私もバーントアンバーや、バーントシェンナなどで描く場合があります。
グリザイユの仲間3:ヴェルダイユ
ヴェルダイユはフランス語「verdaille」から来ています。
「Vert」は緑を意味します。
つまり緑のグラデーションで描かれた単色画のことを言います。
よく油絵具で「テールヴェルト」という色がありますが、あれも緑色をしていますよね。
また、人物の肌を描く際の下地として、ヴェルダイユを使用する場合もあります。
また、トマトの下地にヴェルダイユをして、赤みを強くする例もあります。
グリザイユやブルナイユなどよりも作品例はあまり見られませんが、使い方によっては効果的かもしれません。
他にも・・・
これらの仲間たちは、すべて、天然の土を使った絵具を使用する例ばかりです。
昔は、今ほど色が豊富になかったので、工夫して色を使っていたんですね。
なので、今後様々なカマイユが出てくると思います。
ちょっと見てみると、下の作品では、青が強いので、青のカマイユと言えますね。
まとめ
グリザイユはカマイユの中に含まれているもので、
カマイユは単色で描かれた絵(単色画)のことを指します。
現在では、下地として使用されることが多く、その色によってさまざまな効果があります。
グリザイユのほかに、シラージュ、ブルナイユ、ヴェルダイユなどで描かれたものもあります。
私自身絵を描くときには、何を描くかによって、グリザイユの色を変化させて使用しています。
色々な色の変化があるので、グリザイユを色々工夫してみるのも楽しいですよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
グリザイユの作品を見たい方は記事の下にまとめています。
コメントを残す