グリザイユ画法で描かれた油絵絵画作品を紹介します。

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。

今回はグリザイユ画法で描かれた絵画作品を紹介したいと思います。

グリザイユ画法って何?

グリザイユ画法とは、ざっくり行ってしまえば、gray(グレー)の単色で描く技法のことです。

もっと言ってしまえば、グリザイユ画法は、

カマイユと呼ばれる単色だけで描いた技法のもの中に所属する物なんですね。

詳しくグリザイユ画法については別の記事で説明しているので、この記事をより分かりやすくするためにも一度読むことをおすすめします。

グリザイユ画法で描かれた作品

一部褐色などが使用されていますが、あしからずご了承ください。

グリザイユ画法の油絵作品①『キリストと姦淫の女

作品名キリストと姦淫の女
(きりすととかんいんのおんな)
作者ピーテル・ブリューゲル
制作年1565年
サイズ24.1 センチ × 34.4 センチ
技法パネルに油彩
所蔵コートールド美術館

この作品は、ピーテル・ブリューゲル作『キリストと姦淫の女』です。

油彩で描かれています。

グリザイユ画法で描かれていますが、

奥行きや立体感がしっかりと描かれているので、観ている人を圧倒します。

ピーテル・ブリューゲルと言えば『雪中の狩人』などが有名ですね。

後はこのようなバベルの塔とかありますね。

描かれている画題(テーマ)は、イエス・キリストのエピソードである「姦淫の女」(かんいんのおんな)です。

姦淫の女のエピソード

当時のイエス・キリストが生きていた時代は、まだまだキリスト教が広がっておらず、それを教えているイエス・キリストは異端者でした。

そんな彼を訴えるための口実として

姦淫行為をしていた女を捕まえ男たちはてイエス・キリストに言いました。

姦淫とは道徳に反した不貞行為(不倫などもそうですが、結婚していない男女が関係を結ぶだけでもダメな場合があります)のことです。

男たち「モーセは姦淫した女は石を投げて罰しないといけない。と言ったがあなたはどう思われるか」

と言います。

イエスは地面に何か文字を描いていたが

イエス「まずは罪のないあなた方のなかから、この女に石を投げなさい」と言いました。

彼らはこれを聞くと、ひとり、またひとりと外へ出ていき

女を罰しませんでした。

最後はイエス・キリストとその女だけになってしまいました。

イエスは女に「私もあなたを罰しない、今度からはもう罪を犯さないように」

と言い女を返しました。

このようなエピソードをブリューゲルは描きました。

よく見るとこのグリザイユ画法で描かれた作品にも石や、イエス・キリストが文字を書いているシーンが描かれています。

グリザイユ画法の油絵作品②『受胎告知』

ヤン・ファン。・エイク作『受胎告知』です。

まるで彫刻で作られたようなリアル感はヤン・ファン・エイクの真骨頂と言えます。

ヤン・ファン・エイクの自画像とされている『赤いターバンを巻く男』

グリザイユ画法で絵が描かれたとは到底考えられません。

この作品は聖母マリアがイエス・キリストを妊娠したことを知らせるために天使ガブリエルが伝えるというシーンです。

ヤン・ファン・エイクのこの作品では、

本を読んでいた聖母マリアが「あら?何かしら」と告知の直前を描いているように見えます。

グリザイユ画法の油絵作品③『聖オディールと聖セシリア』

作品名聖オディールと聖セシリア
作者マスター・オブ・フランクファート(フランクフルト)
制作年1503年~1506年
サイズ不明
技法パネルに油彩
所蔵フランクフルト歴史博物館

マスター・オブ・フランクファート作『聖オディールと聖セシリア』は聖人二人をグリザイユで描いた作品です。

顔と一部の装飾品は彩色されていますが、あとはグリザイユで描かれています。

服のひだのひらひら感や、台のひんやり感の質感が良く描かれている作品です。

「聖オディール」は元々目が見えなかった少女オディールが、奇跡によって目が見えるようになり、

その後様々な奇跡を起こして目の聖人としてあがめられるようになりました。

だから、本に目玉が二つあるんですね。

一方「聖セシリア」は時の権力者に目を付けられ、当時異端であったキリスト教を捨てろと言われたが、捨てませんでした。

そこで拷問を何度もされましたが、全く効きませんでした。

そんな彼女が「心のうちで神に音楽を奏でていた」と言っていた伝承から、聖セシリアは音楽家の守護聖人としてあがめられるようになりました。

そんな彼女はパイプオルガンを左手に持っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。