油絵と油彩画の違いっていったい何が違うのでしょうか。
普段当たり前に使用している「油絵」とか「油彩画」を使用すると思いますが、私も普段何気なく使用しているので、これを機に違いを考えてみようと思います。
そのなかである程度「油絵」と「油彩画」の違いが分かってきたので、記事にしました。
それではよろしくお願いします。
油絵と油彩画の違い
結果だけでいえば
油絵と油彩画の違いはほとんどありません。
一緒の意味と言ってもよいです。
え、じゃあ終了?
と思ったそこのあなた。
ちょっと待ってくださいね。
せっかくこの記事を読んでくれたのに
収穫ナシ!はもったいないので、
この二つの言葉の
言葉のはじまりを調べて
二つの違いを見出してみましょう。
油絵と油彩画の違いは何?
ここからは個人的な見解になりますが、
「油絵」は「油彩画」と比べると新く口語(話し言葉)で、
油彩画は比較的古く、文語(書き言葉)という違いがあると考えます。
つまり
「油絵」は話すときに使う言葉で
「油彩画」は文字で残すときに使う言葉
という違いがあります。
油絵
話し言葉として使用される「油絵」
油絵は話し言葉として使用される例が多いと感じます。
話し言葉は円滑なコミュニケーション、
直感でわかるような言葉と言われています。
油絵の場合、相手に説明するときに
「あぶらえ」といったとき、直感的に
あーなんか、油を使った絵かな?と
「油で描かれた絵」であることが伝わります。
逆に油彩画を「ゆさいが」と伝えた場合、
ゆさい?どんな漢字なんだ?と
直感的に漢字に変換できず(専門家ならすぐわかるが)、
一般的にやや伝わりずらい印象です。
「油絵」の単語の使用例
また油絵は油彩画よりも古い使用例があります。
「油絵」と言う単語を使用した書籍の例として
1824年刊行の『江戸買物独案内』中川五郎左衛門編・山城屋佐兵衛(ほか)
で「油絵」の表記があります。
この文書はどちらかというと専門家よりも
当時の一般人向けの本と考えられますので、
「油絵」と直感でわかりやすい
話し言葉が使われているのかと予想できます。
油彩画
書き言葉として使用される「油彩画」
書き言葉は、形式的で正確に物事を相手に伝える
というときに使われる言葉です。
もし「油絵」と表現した場合
「油で描かれた絵」ととらえることができます。
もちろんこれでも十分伝わります。
しかしより正確に伝えるのなら
「油彩画」が適切だと考えます。
油彩画の場合、「油で彩色された画(え)」
または「油彩の技法で描かれた画(絵)」であることが
油絵よりもより正確に相手に伝えることができます。
「油彩画」の単語の使用例
油彩画は文語(書き言葉)での使用例が
いくつか見られます。
最も有名な書籍として
1968年初版の『油彩画の技術 』グザヴィエ・ド・ラングレ (著)の 黒江 光彦 (翻訳)
で「油彩画」と言う翻訳が当てられ、刊行されています。
(油彩画をたしなんでいる人なら知っている
ラングレー先生の書籍の日本語訳バージョンです。)
そして私が知る限りの最も古い例として
1905年に発行された『日本画沿革史』(兼松亀吉郎 著)にある
目次で「西洋油彩畫(画)」(234ページ参照)があります。
このどちらも、学術的で公的な表現が多く
書き言葉の傾向が強いです。
まとめ
油絵と油彩画は現在では一緒の意味に使用されます。
しかし、個人的にもし二つの違いを見出すとすれば
油絵は「話し言葉」であり私的な文章(わかりやすい文章)に使用する。
油彩画は「書き言葉」であり、公的な文章(正確な文章)に使用する傾向があると言えるでしょう。
皆さんはどうお考えになるでしょうか。
他にも「二つの違い」をまとめたものがあります。
絵とイラストって普段使用していますが、一体何が違うのでしょうか。
それはあるものが主役や同課で決まるんです。
説明の中で油絵と油彩画が逆になっている箇所が幾つかあるかと思いますので、訂正されることをお勧めします。
二つの言葉の違いを説明しているのに、これでは全く意味がないのではと気になり、コメントさせて頂きました。
ご教授ありがとうございます。
ご指摘の通り、油絵と油彩画で
逆の説明になっているものがありました。
修正させていただきました。