油絵の具に使用されるオイルってたくさんありますよね。
画材やさんに行くとたくさんの瓶が並んでいてなんだか理科の実験室みたいでかっこいいですね。
だけど、「リンシードオイル」や「ポピーオイル」とか「サフラワーオイル」とか書かれていてもいまいちよくわからない。
「揮発性油」とか「乾性油」とか言われてもわからない。
というかたにおすすめの記事です。
それではよろしくお願いします。
油絵の具に使われるオイルの種類
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2020/12/olive-oil-1433506_640.jpg)
油絵具に使われる油の種類は2種類あります。
一つ目は顔料をくっつけるための接着剤としての油(乾性油)、
もう一つは薄めるための油(揮発性油)があります。
顔料、乾性油、揮発性油という難しい単語が出ましたが
ひとつづつかみ砕いてわかりやすく解説します。
色の素になる【顔料】
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2020/11/Ultramarinepigment.jpg)
顔料(がんりょう)というのは色のついた小さい粒だと言えるでしょう。
油絵具がたくさんの色を持っているのはこの小さな粒(顔料)が
どんな色になるかによって油絵具は色が変わるわけですね。
油絵具に含まれている成分は
顔料と乾性油(あと添加物)というものに
分けることができます。
とにかく顔料は絵の具の色の素というわけです。
接着剤としての油【乾性油】
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2023/01/scott-sanker-IDaeLeKiie0-unsplash.jpg)
では今度は油絵具の素の1つ乾性油(かんせいゆ)について
紹介します。
油絵具に含まれている顔料だけだと、
キャンバスに筆で描いても
画面にくっつくことができません。
なので、画面にくっつけるために接着剤が必要になるわけですね。
そこで油絵具には接着剤として乾性油(かんせいゆ)を使います。
この乾性油は時間がたつと酸素とつながって
乾燥する性質がある油なので
乾性油と言われています。
つまり乾性油は顔料の接着剤としての役割があるんですね。
薄め液としての油【揮発性油】
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2022/07/bottle-2032980_640.jpg)
では揮発性油(きはつせいゆ)というものはなんでしょうか。
揮発性油は読んで字のごとく揮発する油です。
ちょうどアクリル絵具で使う水を想像してみてください。
水はしばらくすると、揮発(蒸発)してなくなってしまいます。
なら接着剤(乾性油)さえあれば
揮発性油なんて必要ないんじゃないの?
という方もいるかもしれません。
いえいえ、揮発性油には
- 乾燥速度を早くする
- 油絵具のなめらかさを調整する
という二つの重要な役割があります。
接着剤の役割のある乾性油は完全に
中まで乾燥するのにはかなりの時間がかかるんですね。
そこでこの揮発性油を混ぜることで乾燥する時間が早くなります。
もちろん揮発性油を使いすぎると
乾性油の接着する能力が下がるので注意が必要です。
また、揮発性油を油絵具に入れることで
滑らかになったり、薄まったりということもできます。
そうすることで、油絵具のこってり感を減らして、
薄塗りができたり、筆がさらさらと動かすことができます。
また、ここでは詳しい解説はしませんが、
油絵具の添加物である樹脂(じゅし)を
揮発性油は溶かすことができるので、
オリジナルの樹脂溶液を作るときにも使います。
ではそんな乾性油と揮発性油の種類を見ていきましょう。
乾性油の種類
接着剤の役割をする乾性油ですが、
油絵具に使用される主な乾性油は
- リンシードオイル
- ポピーオイル
の2種類があります。
リンシードオイル
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2023/01/flax-seed-1274944_640.jpg)
リンシードオイルは別名「亜麻仁油」(あまにゆ)という亜麻のという草から絞り出されるオイルです。
特徴
特徴は乾燥速度が2~3日と乾性油の中では速く、
昔からよく使われてきた乾性油です。
ただ黄変をしやすいという特徴があるので、
白色や淡い色の油絵具には使用されることは少ないです。
ポピーオイル
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2023/01/poppy-1540291_640.jpg)
ポピーオイルは別名「芥子油」(けしゆ)という芥子の植物から絞り出されるオイルです。
特徴
特徴は乾燥速度が一週間近くかかるので
制作時間が遅くなります。
一方で黄変がしづらいので
白色や淡い色の油絵具に使用すると
綺麗な色合いを表現できます。
下の表でリンシードオイル・ポピーオイルの特徴を表にします。
種類 | リンシードオイル | ポピーオイル |
乾燥 | 2~3日で早い | 一週間程度 |
黄変 | 黄変をする | 黄変がしづらい |
揮発性油の種類
油絵具の薄め液である揮発性油には
- テレピン(ターペンタイン)
- ペトロール
の二種類があります。
テレピン
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2020/12/640px-Frankincense_2005-12-31.jpg)
テレピン(ターペンタイン)は揮発するスピードが早いです。
材料に松脂を使っているので
濃縮された松の香りがします。
この匂いが苦手な人もいますので
いわゆる「油絵を描くと部屋がくさい」
と言われます。
(油絵を描く人ならわかると思いますが
家族から迫害を受けます。)
ペトロール
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2023/01/fuel-1596622_640.jpg)
一方ペトロールは、テレピンと比べて
揮発する速度が遅いです。
また、鉱物由来の揮発性油なので
ガソリンのようなにおいがします。
(あいかわらず家族から迫害を受けます。)
なので、揮発性油を使うときには
基本的なルールを守って使用しましょう。
(あと、家族の理解も得ましょうね。)
揮発性の基本的なルールは下の記事で紹介しています。
下の表で揮発性油の特徴を出しておきます。
種類 | テレピン | ペトロール |
揮発 | ペトロールより揮発が早い | 揮発はゆっくり |
臭い | 濃縮した松のにおい | ガソリンのようなにおい |
初心者におすすめのものは?
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2023/01/syosinysa.jpg)
乾性油、揮発性油などいろいろ紹介しましたが、
これらは単体で使用することはありません。
使用するときはこれらの油を調合する必要があります。
だけど油絵初心者には正直きついです。
なので初心者におすすめのものは
[su_highlight background=”#fbf808″]ペインティングオイル[/su_highlight]というあらかじめ調合された画用液です。
私もペインティングオイルから油絵具をはじめて
徐々に好みの自家製画用液を作るので
最初は、ペインティングオイルがおすすめです。
最初は画用液にこだわるよりも
[su_highlight background=”#fbf808″]画力をあげたり、油絵具になれる方が大切[/su_highlight]です。あとあと好みの感じが分かってきますので、
まずはペインティングオイルです。
メーカーは問いませんが、
ホルベインの油絵具を使用している人は
ホルベインの画用液。
クサカベの油絵具を使用している人は
クサカベの画用液。
とメーカーを統一したほうが、良いと思います。
スポンサーもなにもないので
メーカーびいきはないようにしています。
もし購入するなら世界堂のオンラインショップ
が価格も割引されているのでお勧めです。
コストパフォーマンス(価格)を意識したいなら
がおすすめです。
![](https://0plusart.com/wp-content/uploads/2023/01/slug_A000389_1.jpg)
予算があるなら…
予算があるならもう一つ
先ほど紹介した揮発性油を買うことを
おすすめします。
一番のおすすめは[su_highlight background=”#fbf808″]テレピン[/su_highlight]です。
しかし匂いがきついので
匂いが気になる方に
おすすめのものは[su_highlight background=”#fbf808″]オドレスペトロール[/su_highlight]です。
(無臭という文字が力強いです。)
油絵具で結構揮発性油は使うので、
一本買っておくと安心です。
ただ地味に高いので、
ホームセンターで販売されている薄め液で
道具を洗うという技もあります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
他にも油絵具をもっと知りたい。
絵が上手くなりたい
という方には下の記事がおすすめです。
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下の記事では乾性油を詳しく紹介・解説しています。
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