みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。
今回は油絵具に使われる茶色の種類と特徴を紹介したいと思います。
茶色の油絵具ってどれも同じように見えてわからない。
どんな違いがあるの?
結局どの茶色の油絵具を買えばいいの?
という方にオススメの記事です。
では自分にあった茶色の油絵具を一緒に見つけていきましょう。
よろしくお願いします。
色の隣にある、PBr18などはC.I.Nameと
言う使用されている顔料の名前です。
C.I.Nameについては記事の後半でリンクを貼っておきます。
参照してください。
茶色の油絵具を使う場面はどんなとき?
茶色の油絵具は、主役の色と言うよりも
名脇役といえる色です。
- 色の鮮やかさ彩度を調整する
- 下地や画面の全体の構造を考える
- 有色下地インプリマトゥーラ
に使用されることが多いです。
地味な色と言われるかもしれませんが、
なくてはならない存在です。
有色下地(インプリマトゥーラ)とはキャンバスやパネルの白色を有色にすることです。
茶色の油絵具①ローアンバー(PBr7)

ローアンバーは半不透明で茶褐色の油絵具です。
混色に向いています。
英語の「ロー(raw)」は日本語で言うところの「生の」という意味があります。
元々アンバー地方の土からこの油絵具が作られていたので、この油絵具は
「未加工(生の)アンバー地方の土の色」から
ローアンバーとなりました。
これは個人的な感覚ですが、若干青みのある茶色の油絵具だと感じますね。
色の油絵具②バーントアンバー(PBr7)

バーントアンバーは半不透明でローアンバー赤みを加えて
さらに暗くした茶褐色をしています。
混色にむいています。
バーント(burnt)とは日本語では「焼いた」なので、
「焼いたアンバー地方の土の色」から
バーントアンバーになりました。
この色は私もよく使用していて、
有色下地(インプリマトゥーラ)や
最初の画面全体を構成するときの
下絵を描くときに使用しています。
茶色の油絵具③ローシェンナ(PBr7、PY42)

ローシェンナは黄褐色の油絵具です。
イエローオーカーと茶色の間の色と言えます。
PY42はイエローオーカーのことです。
穏やかな色合いが特徴で、
下絵や混色に向いています。
ローシェンナもローアンバーと同じように
シェンナ地方の土の色が由来で
未加工(生の)シェンナ地方の土の色から
ローシェンナと名付けられました。
茶色の油絵具④バーントシェンナ(PBr7)

バーントシェンナは半不透明で赤みが強い
茶色の油絵具です。
赤みが強いので、赤系の色と混ぜると、
違和感なく混色することができます。
また、インプリマトゥーラにも使い勝手が良いです。
これも「焼かれたシェンナ地方の土の色」から
バーントシェンナ
という名前になりました。
茶色の油絵具⑤バンダイクブラウン(PBr7,25 PBk7)

バンダイクブラウンは不透明で力強い黒に近い茶色の油絵具です。
油絵の画家であるバン・ダイクが使用した茶色の色に似せている色なのでこの色の名前
になりました。
PBk7はランプブラックのことです。
癖がない茶色の油絵具で、混色・下絵に向いています。
おすすめの茶色の油絵具は?
おすすめうち、初心者におすすめする色は、
- バーントアンバー
- バーントシェンナ
の2色があればよいです。
バーントアンバーの暗褐色は
影の色を作るときにも使用しますし、
ウルトラマリンなどの青色の油絵具と混ぜると強すぎない黒をつくることができるので、重宝します。
初心者と言いましたが、今後、長く愛用する絵具になると思います。
バーントシェンナも赤色や黄色、
オレンジなどの温かい色の鮮やかさを
調整するときによく使用します。
まとめ
茶色の油絵具の種類と特徴は
色名(C.I.Name) | 色味 | 透明性 | 耐久性 |
ローアンバー | 青みのある茶色 | 半不透明 | 高い |
バーントアンバー | 濃い茶色 | 半不透明 | 高い |
ローシェンナ | 黄色みのある茶色 | 半不透明 | 高い |
バーントシェンナ | 赤みがある茶色 | 半不透明 | 高い |
バンダイクブラウン | 力強い黒い茶色 | 不透明 | 高い |
という特徴があります。
茶色系の油絵具はほとんどすべてが高い耐久性を持っているので、
安心して使用できます。
この中で特におすすめの油絵具は
バーントアンバーとバーントシェンナです。
今回は国内メーカーのホルベイン社の油絵具を基準に話をさせてもらいました。
もし、他のメーカーの油絵具を購入する際は、
油絵具のラベルに有るC.I.Nameを参考に茶色の油絵具を購入してください。
C.I.Nameについては下の記事でまとめていますので、よろしくお願いします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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