びじゅチューン!『夏秋草図屏風デート』の元ネタ『夏秋草図屏風』を解説

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『夏秋草図屏風デート』のモデル『夏秋草図屏風』を紹介したいと思います。

沢山の草花が描かれていますが、一体どの植物が描かれているのか、知りたい人にもおすすめの記事です。

それではよろしくお願いします。

夏秋草図屏風の概要

タイトル夏秋草図屏風
(なつあきくさずびょうぶ)
作者酒井抱一
(さかいほういつ)
制作年19世紀(江戸時代)
材料/技法紙本銀地着色/二曲一双
寸法各縦164.5mm×横181.8㎜
所蔵東京国立博物館

この作品は酒井抱一が制作した江戸時代のものです。紙本銀地着色と言い、和紙の上に銀箔を貼った紙本銀地に岩絵具で彩色した屏風です。

酒井抱一は琳派と言われる流派の一人ですが、豪華絢爛なイメージの琳派とは違い、情緒豊かでどこかわびしさを感じさせる作風です。

では具体的に何が描かれているのでしょうか

『夏秋草図屏風』左隻

左の屏風には葛(クズ)やフジバカマやススキ、ヤマブドウが描かれています。これらは全て秋の草花です。

これらは強い風に吹かれており、赤く染まった葉がちぎれて飛んでいます。

時折強く吹く寒々しい秋風を感じさせます。

葛(クズ)

秋の七草に数えられている植物です。作品には花と葉が描かれており、葉の表と裏の色の違いをかき分けることにこだわりを感じます。

『夏秋草図屏風』の中にある葛の葉と花

フジバカマ

秋の七草のひとつです。作品には青色でフジバカマが描かれていますので、細かく言えばアオイロフジバカマかと考えられます。

『夏秋草図屏風』の中にあるフジバカマ

ススキ

秋と言えばこの植物です。これも葛やフジバカマと同様秋の七草です。

『夏秋草図屏風』の中にあるススキ

ヤマブドウ(エビヅル)

他のサイトでは、葛の枯れ葉やツタとして紹介されていますが、実がありますのでそれらは異なると考えます。

実が青々としており所々退色している実がある点、葉の形状や紅葉する点からヤマブドウあるいは海老蔓(エビズル)と推定できます。

『夏秋草図屏風』の中のヤマブドウ(エビヅル)

昔は野生の葡萄類はエビカズラと呼ばれているので、この二つもエビカズラと呼ばれていました。

『夏秋草図屏風』右隻

『夏秋草図屏風』右隻にはオミナエシ、センノウ、ユリ、ヒルガオが描かれています。これらは全て夏の草花です。

右上には川が描かれています。植物たちは強い風にあおられていますので、暴風雨を連想させます。日本で毎年発生する台風も連想させます。

雨によって急激な流れの川

伝統文様である流水文のようなデザイン性のある流れが描かれています。

オミナエシ

『夏秋草図屏風』右隻の中のオミナエシ

女郎花は秋の七草のひとつです。花は完全に開花していませんので春から夏にかけての期間のものを描いたと考えられます。

センノウ

センノウはセンノウゲ(仙翁花)とも呼ばれます。仙翁寺と言うお寺で育てられたと言われる幻の花でした。

『夏秋草図屏風』右隻の中のセンノウ

ユリ

純白のユリが描かれており、テッポウユリではないかと推定できます。

初夏から夏に開花しますので、この屏風の風景として合致します。

『夏秋草図屏風』右隻の中のユリ(テッポウユリ)

ヒルガオ

ヒルガオは春から夏にかけてツタを伸ばし、夏に花を咲かせます。

作品に描かれるヒルガオにはつぼみや花の微妙なグラデーションが描かれており、見ごたえがあります。

『夏秋草図屏風』右隻の中のヒルガオ

あの名作の裏に描かれていた

この作品実はあの名作に描かれていることをご存知でしたか?

俵屋宗達作『風神雷神図屛風』です。

びじゅチューン!『風神雷神図屏風デート』の続編として描かれたのには表と裏で一つの作品となっていたという理由があったんですね。

『風神雷神図屏風』については別記事で詳しく解説しておりますので、ここでは割愛させていただきます。

表にある風神のだす風で煽られる秋草、雷神の出す暴風雨によって大きくなびく夏草はそれぞれ表と裏で呼応しています。

まとめ

『夏秋草図屏風デート』の元ネタ『夏秋草図屏風』は夏や秋の草花を描いたとても情緒ある作品です。

琳派と聞いてイメージする絢爛豪華な装飾性を、わびしさすら感じさせる作風は酒井抱一ならではではないでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。他にもびじゅチューン!に関する記事を紹介していますのでよろしければそちらもご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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