油絵具の毒性は?危険でヤバイ顔料と対処方法を紹介

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岩下幸円(イワシタコウエン)
愛知県在住の芸術家。 独学で絵を学びたい人に役に立つ情報をシェアしています。 色彩検定2級を取得。 小学校教諭一種免許を取得。 寝ている生物(特に猫)が好きです。

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。

油絵具で油絵を描いていると、ヤバイ匂いがしたりしていて、

もしかしたら油絵具って危険なものなんじゃないの?

ラベルに、○○を含むとか、危険なマークがあったりしてやばいんじゃないの。

と思うかもしれません。

危険な油絵具や画材があるのに知らないまま使っていると

実は知らず知らずのうちに中毒になっているのかもしれませんよ。

でも安心してください。

対処方法さえしっかりしていれば大丈夫です。

そこで今回は油絵具の毒性や危険な顔料、画材の紹介とその対処方法を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

危険な油絵具

危険な油絵具と呼ばれるものは、油絵具に含まれている顔料が主な原因です。

ここでは色の名前と、C.I.Nameを一緒に顔料名を紹介したいと思います。

C.I.Nameとは何?

C.I.Nameとはカラーインデックスネームのことです。

油の具の裏のラベルに記載されています。

メーカーによって油絵具の色の名前を決めているので、実際にどんな顔料を使っているのかわからなくなりますよね。

そんなときにこのC.I.Nameを見ればどんな顔料が使用されているのかわかる仕組みになっています。

例えば、チタニウムホワイトが使われている場合「PW6」と記載されていますし、ウルトラマリンだったら「PB29」と記載されています。

C.I.Nameについては、下の記事でまとめていますので、そちらを参考に手元の油絵具(以外の絵の具も可)の顔料を調べてみてくださいね。

僕も絵具を購入するときによく使用しています。

下の見出しは顔料名(C.I.Name)で紹介します。

シルバーホワイト(PW1)

シルバーホワイト(PW1)は、鉛中毒になる危険性があったりと、危険な油絵具です。

別名は鉛白(えんぱく)、英語ではLead Whiteと呼ばれます。

鉛中毒になると、神経痛や吐き気、けいれんなどの症状がでます。

現在では、鉛中毒になるほどの摂取量は油絵具ではなりづらいですが、対処法も後で紹介します。

昔の画家たちはこのシルバーホワイト(PW6)で鉛中毒になっていたのではないかと噂されています。

カドミウム系顔料

カドミウムレッド(PR108)や、カドミウムイエロー(PY35)、カドミウムオレンジ(PO20)など、鮮やかで不透明な色が特徴の油絵具になります。

このカドミウム系顔料も毒性があると言われています。

カドミウム系顔料については下のリストでまとめると

顔料名C.I.Name
カドミウムイエローPY35、PY37
カドミウムオレンジPO20
カドミウムバーミリオンPO23
カドミウムレッドPR108
カドミウムグリーンPG14

があります。

カドミウム中毒になると、肝臓の動きが悪くなり、貧血や、骨がもろくなって、痛みが発生したりします。

厚生労働省でもカドミウムについての危険性を紹介していますね。

日本だと公害としてイタイイタイ病と呼ばれるものもカドミウムが原因です・

環境への負担も考えると敬遠する人もいると思います。

コバルト系顔料

コバルト系顔料を含む油絵具も毒性があります。

コバルトと言えば、コバルトブルーやコバルトバイオレットなど、冷たくて鮮やかな色が魅力的です。

コバルト系をまとめると

顔料名C.I.Name
コバルトブルーPB28
コバルトバイオレットPV14
コバルトクロマイトPB36

などがあります。

コバルトクロマイトは、コバルトターコイズなどで販売されている場合があります。

コバルト中毒になると、

バーミリオン(PR106)

バーミリオンは、日本語に直すと銀朱(ぎんしゅ)。

どういうものかというと、硫化水銀からなる鉱物である辰砂(シンシャ)が原材料の顔料です。

日本の朱肉の朱色を想像してくれれば良いです。

この硫化水銀には、水銀が含まれているので、水銀中毒になります。

過去には日本で水俣病(みなまたびょう)と呼ばれる公害事件が起きましたね。

水銀中毒になると、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出ると言われています。[引用元]

もちろん、上で紹介した油絵具の中毒症状は、あくまで顔料が粉末の状態であるほうが危険です。

油絵具での取り扱いの場合、下記の対処方法を行いましょう。

危険な画材

揮発性油(きはつせいゆ)

テレピン・ペトロールは揮発性油という薄め液の役割をするものです。

アクリル絵具、水彩絵具でいうところの水のようなものです。

独特の臭いは、ダメな人はだめになります。

揮発性油が蒸発すると、気体になって部屋に充満します。

そうなると、気分が悪くなったり、頭痛がしたりします。

また手などの皮膚につくと、赤くなってひりひりしたりします。

私も横着をして、換気せずにテレピンを使用していたら、頭痛と吐き気がすごく、

手でベタベタ触っていたので、手がかゆくなり、その日から油絵具の画材の取り扱いについて慎重になりました。

この記事も読者の方が私と同じような失敗をしないようにと思って書かせてもらっています。

対処方法

油絵具や画材の危険性について紹介しましたが、

ただ油絵具を怖がらせるだけの記事にするわけにはいきませんね。

ここでは、もしこの油絵具、画材を使う、というときの対処方法を紹介します。

汚れてもいい服装をする

これは定番中の定番です。

電源がつかない場合、コンセントを一度確認するくらい定番です。

集中していると、いつの間にか服についている場合があるので、服装は専用のものにしましょう。

エプロンや割烹着(かっぽうぎ)、白衣なんかがオススメです。

手についたら洗う

手についたら長時間ほっときっぱなしにせず、石鹸やシャンプーで手を洗いましょう。

特にシルバーホワイト、カドミウム系、コバルト系の油絵具を使う場合は、絶対に洗ってくださいね。

これらの油絵具は、気づかずに突然中毒症状が起きる場合があるので、いつの間にか中毒になっていたということがあります。

ゴム手袋をする

油絵具で絵を描く場合、ゴム手袋をすることもオススメです。

そもそも手に油絵具を付けないようにする作戦です。

また、テレピンやペトロールなどの揮発性油が手についたときの皮ふの刺激を防ぐことができます。

換気をする

これは、テレピンやペトロールなどの揮発性油が揮発して、部屋に充満しないようにするためです。

気分が悪くなったりしたときには、別の部屋で新鮮な空気を吸う方法もあります。

まとめ

油絵具で毒性がある危険なものは、シルバーホワイト、カドミウム系、コバルト系、バーミリオンなどがあります。

他には揮発性油というものが体調不良を起こします。対処方法は汚れてもいい服装を着て、ゴム手袋をしたり、換気や手洗いなどの対処方法をしましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

油絵具についての取り扱いを他にも紹介しています。

油絵具を使った後、正しい捨て方していますか?

油絵具の正しい捨て方はこちらで見れます。