びじゅチューン!『龍虎旅館』の元ネタを解説

『龍虎旅館』のモデル・元ネタ

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『龍虎旅館』のモデルを紹介したいと思います。

あの2体は一体どこにあるのでしょうか。それではよろしくお願いします。

『龍虎旅館』のモデル『「龍図」「虎図」』の概要

タイトル『虎図』襖
作者長沢 芦雪
(ながさわろせつ)
制作年江戸時代
材料/技法紙本墨画淡彩
寸法右2面各180.0×87.0cm、左4面各183.5×115.5cm
所蔵無量寺(和歌山県串本町)

『龍虎旅館』のモデルは、長沢芦雪作『「龍図」「虎図」』です。この作品は元々は無量寺の部屋を区切る襖絵として描かれていました。

現在ではその複製が無量寺に設置されています。

虎図は、猫が鼠を捕えようとする瞬間を描いたような愛らしい姿をしています。

前足と顔がまるで画面から飛び出ているような錯覚があります。

タイトル『龍図』襖
作者長沢 芦雪
(ながさわろせつ)
制作年江戸時代
材料/技法紙本墨画淡彩
寸法右4面:各183.5×115.5cm 左2面:各180.0×87.0cm
所蔵無量寺(和歌山県串本町)

龍図は、前足、頭部だけが描かれており、龍の全体を描かれていません。

それが龍の大きさを想像させて、画面以上の迫力を演出しています。

龍図・虎図の裏には何がある?

龍図・虎図は無量寺の「室中の間」に対面する形で配置されています。

無量寺の間取り図

上間には虎図が描かれており、龍図は下間へ続く襖に描かれています。

では、上間・下間で虎図・龍図を見ると何が描かれているのでしょうか。

虎図の裏(上間二之間)

虎図の裏には猫が描かれています。

また虎の顔のちょうど裏には、魚を取ろうとしている猫の絵が描かれています。

これは猫=虎、魚=人として見立てているのではないかと考えられています。

右側にいる猫が魚を取ろうとしています。

また、一之間へ続く襖には鶏が描かれており、岩の隆起は見ごたえがあります。

虎図とは上のような関係をしています。

龍図の裏(上間二之間)

龍図の裏には寺子屋の騒がしい光景『唐子遊図』が描かれています。

なぜ寺子屋かと言うと、琴、囲碁、書道、画は中国では身に着けるべきたしなみとしてよく画題として描かれています。

その画題を寺子屋の騒がしい様子に転用したのです。

長沢芦雪のユーモアと人間味が豊かな作品です。

最後には唐子たちが犬とじゃれあいながらどこか遠くへと消えてゆきます。

じゃれあう犬。可愛いですね。

龍図との関係性は上の通りです。

犬がいるところにちょうど龍の顔があることから、この唐子たちの勢いは龍の勢いと同じくらい凄まじいものと言うことを表現したと考えられます。

まとめ

『龍虎旅館』の元ネタ(モデル)は、長沢芦雪作『「龍図」「虎図」』です。

それらは対面するように描かれており、まるでバチバチと今にも戦いが始まりそうな予感がします。

虎図の裏には猫が、龍図の裏には犬と唐子が描かれています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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