『写楽式洗顔』の元ネタ・モデルを解説

『写楽式洗顔』のモデル

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『写楽式洗顔』のモデルを紹介したいと思います。

あのすっぴんが鳥似の人は誰が描いたのでしょうか。

それではよろしくお願いします。

『写楽式洗顔』のモデル

タイトル三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛
(さんせいおおたにおにじのやっこえどべえ)
作者東洲斎写楽筆
(とうしゅうさいしゃらく)
制作年江戸時代
材料/技法浮世絵
寸法縦36.8×横23.6cm
所蔵東京国立博物館

『写楽式洗顔』のモデルは東洲斎写楽作『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』です。

描かれている人物は歌舞伎役者の三代目大谷鬼次さんです。

彼が歌舞伎の演目『恋女房染分手綱』の『江戸兵衛』を演じたときのものを描いたものです。

『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』の詳細

家紋

役者は家紋によって見分けられています。

大谷鬼次の家紋はくつわに鬼の文字が施されています。

サイン

東洲斎写楽のサインです。下には、出版元である蔦屋(つたや)のハンコが押されています。

蔦屋のハンコ:江戸時代の出版社のようなもの

黒の背景

黒の背景には、画像ではわかりずらいですが、雲母(うんも)と呼ばれる鉱石を細かく砕いたものが摺られています。

これをすることにより、背景がキラキラとするので、役者を際立たせます。

トレーディングカードのキラカードのようなものですね。

東洲斎写楽

東洲斎写楽は、絵師としての活動はわずか10カ月ほどでした。

その間に140点以上の作品を残し、もっとも有名なのは歌舞伎役者を描いた役者絵です。

役者絵では目のしわや鷲鼻、受け口など役者の顔の特徴を強調(ディフォルメ)し、表情やポーズを大胆に表現しました。

代表作は『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』の他

『市川蝦蔵の竹村定之進』、『三代坂田半五郎の藤川水右衛門』が挙げられます。

東洲斎写楽作「市川蝦蔵の竹村定之進」

まとめ

『写楽式洗顔』のモデルは東洲斎写楽作『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』です。

江戸時代の役者を描いたもので、役者の特徴を強調するディフォルメが用いられています。

『写楽式洗顔』の登場人物・小ネタ

『写楽式洗顔』の登場人物

眼鏡ボブの女性社員

眼鏡ボブの女性社員がオフィスの中で働いている様子が見られます。

もこもこの女性社員

もこもこの女性社員が眼鏡ボブの女性社員と同様に働いています。

彼女のパソコンをよく見てみると豚の絵が描かれており、果たしてちゃんと働いているのでしょうか。

牛乳を注ぐ女

江戸兵衛が昼食を食べているところに、牛乳を注いでいる女性がいます。

間違いなく牛乳を注ぐ女でしょう。

右下の人

右下の人は東洲斎写楽作『市川男女蔵の奴一平』だと考えられます。

出典:ColBaseより引用

一平は『恋女房染分手綱』のなかで江戸兵衛のと敵対する関係で、二つの絵を隣に置くと対になることが分かります。

出典:ColBaseを改変

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よければそちらもご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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