アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いって何?

画材店へ行くとアクリル絵具と

アクリルガッシュというものが販売されていることがあります。

だけど、

「この二つの違いってなんだ?」

「成分が違うの?」

など疑問に思うことありませんか?

私も絵を描き始めたときにはあまり違いがわからず

なんとなくつるつるした絵具がアクリル絵具で

マットな感じの絵の具がアクリルガッシュ

という認識でした。

だけどそれ以外にもある重要な違いがあるということを

ご存知でしょうか。

そこで今回はアクリル絵具とアクリルガッシュの違いと特徴

を図や表でわかりやすく解説していこうと思います。

それではお願いします。

アクリル絵の具とアクリルガッシュは○○の比率が違う

アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いは

結論だけさきに言うと

[su_highlight background=”#fbf808″]アクリル絵の具は透明感があり、基本的には艶のある質感、[/su_highlight]

[su_highlight background=”#fbf808″]アクリルガッシュは不透明でマットな質感になる。[/su_highlight]

という違いがあります。

ではこの二つの違いは一体どのような理由から来ているのでしょうか。

これらの違いは顔料とアクリル樹脂の比率の違いからきています。

下の画像は実際にアクリル絵具とアクリルガッシュを塗ってみました。

アクリル絵具が透明で、アクリルガッシュが不透明なのが分かります。

左側:アクリル絵の具 右側:アクリルガッシュ

ここで顔料、アクリル樹脂という単語が出てきました。

あまり一般的ではない単語ですね。

しかしアクリル絵の具とアクリルガッシュの違いを知る上で

とても大切な単語なので、本題からちょっと外れて

これらについて解説します。

顔料って何?

顔料とはすごく小さな色つきの粒々のことです。

この色付きの粒がアクリル絵の具に入ることで

アクリル絵の具に色がついているわけですね。

アクリル絵具に関わらず油絵具や水彩絵の具など

絵の具とつくものには必ず入っているのが

この顔料です。

よく顔料と並んで紹介される染料というものもありますが、

ここでは割愛します。

とにかく色付きの小さい粒が顔料であるということです。

アクリル絵具に使われるアクリル樹脂って何?

だけど顔料だけだと木の板(パネル)やキャンバス、

プラスチックなどにはつきません。

着いたとしても一時的でだんだんと落ちてきてしまいます。

そこで顔料をくっつけるための接着剤が必要になります。

アクリル絵具の場合アクリル樹脂がその役割を果たしています。

アクリル樹脂は石油から合成したもので、

透明でつやつやとした特徴を持つ合成樹脂です。

このアクリル樹脂の接着剤(正式には展色剤、バインダー)と

顔料を混ぜ合わせることで

アクリル絵具になります。

公式にすると

顔料+アクリル樹脂=アクリル絵の具

です。

アクリル絵具もアクリルガッシュも

顔料とアクリル樹脂を混ぜた絵の具なので

アクリル絵具とアクリルガッシュの違いは

顔料とアクリル樹脂の比率が違うだけで、

成分は変わらないということが分かります。

アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いと特徴

冒頭でアクリル絵具はつやつやで透明感がある。

アクリルガッシュはマットで不透明である

という違いがあると言いました。

この章ではその違いや特徴を詳しく見ていきましょう。

アクリル絵の具

アクリル絵具の特徴をまとめると

  1. 透明感がある
  2. つるつるとしたツヤ感がある
  3. 耐久性がある

という特徴があります。

アクリル絵具は展色剤(バインダー)であるアクリル樹脂

が多く含まれています。

アクリル樹脂は透明で艶があるという特徴があるので、

それが多く含まれているということは

必然的に色ガラスのように透明で艶が出てくるわけです。

また3つ目の耐久性があるというのは

接着剤であるアクリル樹脂をアクリル絵具は

たくさん含んでいるので

画面から剥がれにくくなるわけですね。

そのため耐久性が高くなっていきます。

アクリルガッシュ

一方アクリルガッシュの特徴は

  1. 不透明である
  2. マットな質感になる
  3. 耐久性が低い

という特徴があります。

これは顔料が多いためこのような特徴になります。

顔料は小さな色付きの粒々と説明しました。

これが多いということは下を覆い隠す力も

強くなります。

また、顔料が表面にたくさん出るので

マットな質感になります。

そして最後の特徴である耐久性が低い

というものは、接着剤であるアクリル樹脂が

少なくなるので、アクリル絵具と比べると

耐久性が低くなります。

接着剤が少ないと接着力が下がって

ボロボロとはがれやすくなるわけですね。

もちろんアクリルガッシュには

たくさんのメリットもありますから

アクリルガッシュは使うな!

ということではなく、

アクリルガッシュもアクリル絵具も

表現したいものに合わせて使っていきましょう。

まとめ

以上のことを踏まえて

アクリル絵具とアクリルガッシュの違いと特徴は

アクリル絵具はアクリル樹脂を多く含んでおりつやつやで透明、高い耐久力

アクリルガッシュは顔料を多く含んでおりマットで不透明、耐久性が低い

という違いと特徴があります。

特徴アクリル絵の具アクリルガッシュ
比率アクリル樹脂を多く含む顔料を多く含む
ツヤ感ツヤツヤとしているマットな質感
透明性透明~半透明不透明
耐久性高い低い

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にもこの二つの違いって何?

など言われてみればどんな違いがあるかわからない。

というものをピックアップして記事にしています。

皆さんが少しでも役に立ったなと思ってくだされば幸いです。