『1500年のオーディション』の元ネタ・モデルを解説。びじゅチューン!の作品紹介

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。

今回はびじゅチューン!『1500年のオーディション』のモデル(元ネタ)を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

『1500年のオーディション』のモデル

タイトル自画像
作者アルブレヒト・デューラー
制作年1500年
材料/技法パネルに油彩
寸法67.1 cm × 48.9 cm
所蔵アルテ・ピナコテーク

『1500年のオーディション』の元ネタ・モデルはアルブレヒト・デューラー作『自画像』(1500年制作)です。

現在はドイツの国立美術館「アルテ・ピナコテーク」に所蔵されています。

アルブレヒト・デューラー

『自画像の』作者であるアルブレヒト・デューラーは

ドイツのルネサンス期(14世紀~15世紀)の画家です。

『自画像』の他にも

『野ウサギ』や『アダムとイヴ』、

『祈る手』などの絵画作品を描きました。

かなりリアルな絵を描きますね。

デューラーの他の『自画像』

この1500年制作の自画像のほかにも自画像を描いています。

1484年に制作した『13歳の自画像』では、

すでにその才能が発揮されています。

1493年の『自画像』(推定22歳)ではアザミを持っているデューラーが描かれています。

なぜアザミかというと

この年の前後でデューラーは婚約と結婚

をしているので、アザミの象徴である

「男性の結婚への忠実さ」

を表現しているのではないかと考えられます。

絵画の象徴と寓意については他の記事で紹介しています。

1498年の『自画像』(推定26~27歳)は前のものと

ほぼ同じ構図で描かれています。

だんだんと成長している様子が分かりますね。

『自画像』(1500年)を鑑賞する

構図

『自画像』は正面の顔が描かれています。

この構図は人物を描く場合、異例の表現です。

また、ほとんど左右対称に描かれているので、

なんだか神秘的な自画像です。

なぜこの表現かはサイン、手、顔を見てみるとわかります。

サイン

画面に描かれているサインです。

このサインを日本語訳してみると

「それゆえわたくし、ニュルンベルク生まれのアルブレヒト・デューラーは28の年に消えることのない色彩でもって自分自身を描いた」

と書かれています。

なんだかすごく自信満々に見えます。

手を見てみましょう。

血管まで描かれていてとてもリアルです。

この手の形は意図して描かれていると考えられます。

この手のポーズはキリスト教の

開祖イエス・キリストの手のポーズとよく似ています。

最後に顔を見てみましょう。

顔や髪型は1500年の自画像よりも

前の自画像と比べてわかる様に

ほとんど似ていません。

髪色ももちろんそうですが、

彼の特徴的な鼻が整形された鼻のようになっています。

これはデューラーが自分自身を通してイエス・キリストを

描いていることが考えられます。

なんだか傲慢で冒涜的な表現に見えますが、

実はその逆。

イエス・キリストを模倣(マネ)することは

イエス・キリスト、さらには神様への強い信仰心を表現しています。

(宗教的な考え方になり話が難しくなるので、ここでは割愛します。)

とにかくイエス・キリストを模倣することは

強い信仰心を表現している。

そして、デューラーは『自画像』(1500年)でイエス・キリストを

表現することは強い信仰心を表現している。

ということです。

『1500年のオーディション』の登場人物

梅あゆみ

梅あゆみが主演のドラマの

通行人Aをデューラーが出演していましたね。

梅あゆみの半生は『紅白梅図屏風グラフ』で紹介されています。

右下の歌詞係

右下の歌詞係はデューラーの他の自画像が使用されていました。

何気に歌の前半と後半で二つの自画像が入れ替わっています。

芸が細かいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にも『びじゅチューン!』作品のモデル・元ネタをまとめて紹介しています。

そちらも是非ご覧ください。

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