『平熱でうらめしや』の元ネタ・モデルを解説

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『平熱でうらめしや』のモデル(元ネタ)を紹介したいと思います。

あの恨めしそうな顔の女性は一体だれが描いたのでしょうか。

それではよろしくお願いします。

『平熱でうらめしや』の元ネタ・モデル

タイトル幽霊図
作者丸山応挙
制作年1750年
材料/技法絹に彩色・掛軸
寸法
所蔵アメリカ・カリフォルニア大学バークレー美術館

『平熱でうらめしや』の元ネタ・モデルは円山応挙作『幽霊図』です。

幽霊と聞くと思いつく、白い肌、白い着物、黒い髪。

そして足がないという定番の幽霊の姿をしています。

足がないという幽霊の表現は円山応挙が初めてとされています。

作者の円山応挙

この作品は別名「お雪の幻」と言われています。

お雪、なぜこの名前が書かれていたのでしょうか。

この『幽霊図』にはある一つの物語があります。

幽霊図の物語

一夜の幻

1750年、日本は江戸時代。

円山応挙はぐっすりと眠っていました。

ふと目を覚ますと、そこにはある一人の女性がいました。

彼女は若く、綺麗で、そして青白い肌をしています。

不自然に色が消え、白い着物(白装束)が彼女の血の気のない肌を覆っていました。

彼女の真っ白は見た目は、黒い目のわずかな切れ目と、彼女の肩に乱れた長い黒髪が対照的でした。

目を下に向けると応挙は一瞬身震いしました。

彼女には足がなかったのです。

しかし彼女の顔は穏やかで、瞳は17歳の応挙をなだめるように見つめていました。

女性はただ一瞬彼を見ただけで、消えてしまいました。

応挙はその出来事を忘れてはならないと思い、布団から飛び出して筆と近くの絹の巻物をつかみました。

死んだ女性を彼の目の前に現れたものと全く同じようにとらえるのに書き写しました。

それが後の『幽霊図』でした。

お雪

死んだ女性は円山応挙にとって忘れられない女性でした。

彼女の名前はお雪。

応挙の先の妻と言われています。

絵を収めた巻物箱に、清水と言う作品の元所有者が「お雪は大津で芸者として働いていた」と書き記しました。

彼女についてはこれ以上知られてはいませんが、応挙がお雪を深く慎んだことは分かります。

まとめ

『平熱でうらめしや』のモデルは円山応挙作『幽霊図』です。

描かれた女性は亡くなったお雪がモデルとされています。

彼女は、きっと一人になってしまった応挙を安心させるために現れたのではないでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事の下には『平熱でうらめしや』の登場人物や小ネタを紹介しています。

良ければそちらもご覧ください。

『平熱でうらめしや』の登場人物・小ネタ

登場人物

右下の人

右下の人は幽霊画の作者円山応挙ですね。

何気にしたからひかりを当てて怖い感じを出しています。

円山応挙

梅あゆみ

霊村の長女が読んでいた物語のあの赤いは『紅白梅図屏風グラフ』で登場したアイドルですね。

他のびじゅチューン!作品ではテレビやカレンダーにも登場してかなり有名なタレントであることが分かります。

ムンクの叫び

『ムンクの叫びラーメン』に登場したムンクの叫びがマグカップとして父親が使用しています。

こういう細かいところまで描写しているのはいいですね。

友達

三つ編みおさげの友達は『保健室に太陽の塔』で登場していましたね。

いつも一緒に登校していることが分かります。

小ネタ

霊村家のモデル

霊村家のモデルは円山応挙の作品から引用していると考えられます。(井上涼さんの作風から推測されます。)

母親はあのとがった口や、髪の乱れ方から徳願寺にある幽霊画がモデルだと考えられます。

引用元:徳願寺『お十夜会・寺宝一般公開』|市川市

妹のモデルは特徴である髪の毛のギザギザ感、鼻の大きさから同じく徳願寺の幽霊図ではないかと考えられます。

引用元:つれずれ実践記

幽霊一家の名字

幽霊の一家の名字は「霊村」です。

家の外観を映す際に「霊村」という表札が掲げられています。

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