こんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。
今回は、世界一青い色と呼ばれるYInMn(インミン)ブルーについて紹介します。
YInMn(インミン)ブルーは2016年あたりに話題になりましたが、情報がまばらなため、情報をまとめ、整理したものをこちらで紹介していきます。
それではよろしくお願いします。
インミンブルーについて
インミンブルーの名前の由来は顔料に含まれている化合物からきています。Yはイットリウム、Inはインジウム、Mnはマンガンを指しています。これらをまとめてYInMnとなりYInMn(インミン)ブルーと命名されました。
この青色の無機顔料は、ウルトラマリンブルー、フタロブルー、プルシャンブルーに続いて、200年ぶりに発見された青と言われています。
インミンブルーはマンガンの濃度によって青色の彩度や濃さが変化し、青色のほかにも緑色が作れるそうです。
偶然の発見
インミンブルーは2009年にオレゴン州大学のマス・サブラマニアン教授の研究室によって発見されました。
研究室の大学院生アンドリュー・スミスが、酸化マンガンを色々な化合物と混ぜていた時に、その試料の1つが異常に青くなったそうです。
電気系の研究をしていたのに、まさか顔料が生まれるなんて思いもしなかったでしょう。
その後、2017年にShepherd Color Companyによって商品化されました。
インミンブルーの特徴
圧倒的な青さ
インミンブルーの特徴として、その圧倒的な青さがあります。赤色と緑色の波長を吸収し、青色の光の波長を反射するため純粋な青に感じ取ることが出来ます。
安全性
インミンブルーの特徴として環境汚染をしない安全性があることが挙げられます。今までの青の中には、取り扱いに注意しなければならないものがありました。
例えばプルシャンブルーの場合土壌汚染や地下水汚染を引き起こすシアン化合物などが含まれていて危険性があります。またフタロシアニンブルーも水質汚染の危険性があります。
インミンブルーの価格
インミンブルーを販売しているPIGMENT(ピグモン)さんでは15gあたり5500円(2020年12月現在)で販売しています。やや高価ではありますが、これから量産できる体制が整えばより安く提供されることでしょう。
近い色としてウルトラマリンブルーがありますが、天然のウルトラマリンブルーの場合、ラピスラズリという高価な石を砕いて、さらに手間がかかる抽出を行うので高価なものになります。(絵具屋三吉さんでは8g15400円で売られています。(2020年12月現在)
色が変化する
実はインミンブルーはその中に含まれるマンガンによって彩度や濃度が異なる青色になります。
また、銅を追加することによって緑色になったり、鉄を加えるとオレンジ色になります。他にも亜鉛とチタンを加えると紫色になることがわかっています。
赤はまだ見つかっていないそうで、もし見つかれば安全で使いやすい赤色が完成するそうです。
まとめ
化学と芸術が密接に関わっていることがインミンブルーを通して知ることが出来ました。
インミンブルーは様々な色を見つけるきっかけになると思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
分かりやすい解説、ありがとうございました。
ところで、この顔料は、水性ですか?
お教え願えれば、幸いです。
tanada masanori
コメントありがとうございます。この顔料自体は水性・油性両方に使用できるのではないかと思います。
水性か油性かは、混ぜる糊(メディウム)によって異なります。(アラビアゴムなら水彩絵具(水性)、アクリル樹脂ならアクリル絵具(水性)、油なら油絵具(油性))
実際、アクリル絵具(水性)でPIGMENT様は販売してらっしゃるので水性として使用することは可能かと思います。
また、シュミンケ ホラダム水彩絵具でインミンブルーが販売されているので、水性として使用されています。
顔料自体も販売されているので、tanada masanoriさんが好みの糊(メディウム)で混ぜて絵具にすることも可能です。