こんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はパステル画について紹介したいと思います。
パステル画って実はルドンが有名な作品を残しているんです。
そんなパステル画ですがいったいどのようなものなのでしょうか。ルドンの作品も紹介しながら、解説していきたいと思います。
パステル画って?
パステル画とは「パステル」を用いた作品のことです。
パステルとは何でしょうか。
パステルとは顔料と少量の水性メデューム(接着剤)を練り合わせて、棒状に固めたものです。
語源は「練り固めたもの」と言う意味のフランス語「Paste」に由来します。
パステルの特徴
パステルの特徴として、紙にパステルをのせた後、スポンジや指で擦るときれいなグラデーションができます。
その特性を活かして、絵画のほかに、デザインやデッサンにも用いられます。ドガも素描にパステルを利用していました。
また鮮やかな色合いにもできるため、画家ルドンにも愛されました。
パステルは17世紀中期に発明されていました。この当時は、パステルと呼ばずクレヨンと呼ばれていました。
開発される前、固形の画材と言えばチョーク(白い石の塊)や土の塊、木炭などでしたので、パステルの発明はかなり斬新だったのでしょう。
パステルの支持体
パステルが描く際、様々な紙が使用されています。
例えばもっとも有名は物はパステル紙と呼ばれるものがあります。
パステル紙は麻などの繊維を含んだ硬質の紙で、白色の他にグレーや緑、青色などがあります。これは、顔料を入れることでさらに硬い紙になるためです。
また、アングル紙と呼ばれるものも使用されます。アングル紙は日本では木炭洋紙として売られています。
20世紀以降のパステル紙には大理石の粉末を紙の表面に塗布して、紙やすりのような表面にしたものがあります。
紙以外に描くことは少なくなりましたが、17世紀には骨粉を羊の皮や布に塗布して描くこともありました。
布にも描かれる場合があります。
パステル画で有名な画家と作品
オディロン・ルドン
オディロン・ルドンは19世紀後期から20世紀に活躍した画家です。彼の有名な作品と言えば、モノクロで描かれた不気味な作品『気球』が有名ですが、もう一つの有名なもので、パステル画作品があります。
オデュロン・ルドン作『バイオレットハイマンの肖像』はパステルを用いたパステル画です。鮮やかな色彩はパステルだからこそできる表現です。
また、色と色の境目がきれいなグラデーションで行われているため、人物や服装に立体感があります。また、パステル紙のグレーの地色を活かした柔らかい印象を受けます。
また、『アルチュール・フォンテーヌ夫人』でもパステルを使用した鮮やかな表現が見て取れます。
エドガー・ドガ
エドガー・ドガはフランスの印象派の画家です。彼は、油彩画とパステル画にこだわり、かつ踊り子を描いた画家として有名です。
彼のパステル画作品『浴盤(入浴する女)』では、パステルの鮮やかな色彩はもちろんのこと、線を重ねる表現により、画面に動きのある印象があります。
また、『舞台の袖の踊り子』では、木炭とパステルを使用した作品で、踊り子たちの出番前のそわそわしたような微妙な感情や躍動感が見てとれます。
モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール
ラ・トゥールはフランスのロココ期の画家でパステルの肖像画家です。
パステルの人物画と言えばこのラ・トゥールと言って間違いないでしょう。
彼の描いた有名な作品『ポンパドゥール(ポンパドール)夫人の肖像』はパステルのきめ細やかなグラデーション、写実性は彼のデッサン力が示されています。
また彼には弟子としてジョゼフ・デュクルーと言う肖像画家いますが、面白そうな画家でしたので、おまけとして自画像のみ紹介させていただきます。
この時代でしたら、威厳を持った自画像や、きめポーズをした自画像が多いのに、陽気なポーズをするデュクルーには斬新さがあります。
この人エンターテイメントの神に愛されています。
まとめ
パステルは鮮やかな色彩とグラデーションが特徴であり、400年近くの歴史を持った画材です。
是非一度その魅力に触れてみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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