『ポッピンシューティングデー』の元ネタ・モデルを解説。びじゅチューン!の作品紹介

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岩下幸円(イワシタコウエン)
愛知県在住の芸術家。 独学で絵を学びたい人に役に立つ情報をシェアしています。 色彩検定2級を取得。 小学校教諭一種免許を取得。 寝ている生物(特に猫)が好きです。

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。

今回はびじゅチューン!『ポッピンシューティングデー』のモデル(元ネタ)を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

『ポッピンシューティングデー』のモデル

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タイトルポッピンを吹く娘
作者喜多川歌麿(きたがわうたまろ)
制作年
材料/技法浮世絵(多色刷り版画)
寸法縦38.1cm×横24.5cm
所蔵東京国立博物館

『ポッピンシューティングデー』の元ネタ・モデルは

喜多川歌麿の浮世絵『ポッピンを吹く娘」』です。

浮世絵は版画で大量に刷られたものです。

このうち有名な所蔵先は東京国立博物館です。

大きさは縦36×横25センチです。

大体A3のコピー用紙より少し小さめですね。

ではポッピンを吹く娘を詳しく見ていきましょう。

ポッピン(ビードロ)を吹く娘をくわしく解説

ポッピンとは

このポッピンとは江戸時代に流行った

ガラス製の玩具(おもちゃ)のことです。

別名はビードロ。

フラスコみたいな形の玩具です。

私の家にもありました!

(画像は自宅にあるビードロをとったものです。)

ストローのような管に息を入れると

フラスコの底のような部分の薄いガラスが

「ペコッ、ペコッ」と小気味いい音を鳴らします。

着物の柄

着物の柄は市松模様と呼ばれている柄です。

この柄は上下左右に途切れることなく続くことから

「永遠」「繁栄」などの意味を持ち、

縁起の良い柄とされています。

ルイ・ヴィトンが使用していることでも有名です。

この市松という名前の由来は

江戸時代中期に歌舞伎役者の初代佐野川市松

が舞台でこの模様の袴を着用したことがきっかけです。

引用元:東京国立博物館 三代目の佐野川市松が着用している服にも市松模様が使用されています。

歌舞伎役者の名前の市松からとって市松模様となったわけですね。

江戸時代の歌舞伎役者、市川団十郎が愛用した茶色

団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)

と同じような由来ですね。

雲母摺の背景

背景はキラキラしています。

これは雲母摺(きらずり)と呼ばれる技法が使われています。

雲母摺りとは紙に薄く糊を引いて

その上から鉱物の粉末「雲母(うんも)」を振りかける技法のことです。

これにより、キラキラとした背景ができるわけですね。

この技法により背景画キラキラとすることはもちろんのこと

歌麿は表面的な美人の美しさだけではなく

内面に宿る美しさや艶めかしさも表現したのではないかとされています。

勝手に考察「振袖」の意味

これは僕が勝手に考えたことなのですが、

この女性が着ている着物って

「振袖」なんですよね。

作品の構図として躍動感を出すために

振袖を着ていたことも考えられます。

だけど美人を描きまくった喜多川歌麿です。

僕的にはちょっと別の意味があると感じたわけですね。

江戸時代になると未婚の女性は長い袖の着物、

いわゆる振袖をきることが定着しています。

この「ビードロを吹く娘」。振袖を着ています。

振袖を着ている。つまりこの娘は未婚女性では?

ということが考えられるわけです。

そうなると見た人が

(こんな美人が未婚なのか…!へぇ…!推せる!)

となりませんか?

この構図って

アイドル=純潔と同じように

振袖=純潔という構図が見て取れるわけなんです。

つまり振袖の意味は

画面に躍動感を与えながらも、

彼女の純潔さも表現する意味がある。

と考えます。

(これは僕が勝手に考察したことです。

あくまで面白ネタとして参考にしてください。)

こういう風に考えるのは

『山姥と金太郎』などで

幕府の検閲をかいくぐった喜多川歌麿の性格を考えると

こういうことも考えているのでは?

という推察からです。

喜多川歌麿ってだれ?

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この『ポッピンを吹く娘』の作者である

喜多川歌麿についても少し触れましょう。

喜多川歌麿は江戸時代に活躍した浮世絵師です。

彼は当時の美人を描いた美人画が大変有名で、

「ポッピンを吹く娘」はもちろんのこと

『寛政三美人』も有名です。

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『寛政三美人』歌麿画

彼に取り上げられた女性は

当時の人々に

アイドルのように話題になったそうです。

びじゅチューン!『ポッピンシューティングデー』

あらすじ

今日は9時に現場入りのモデル撮影。

衣装は市松模様の振袖とポッピン。

探りながら写真を撮っていきます。

1、2,3枚。

なんだか動きが欲しいと風を吹かせながら再撮影します。

1,2,3,4,5,6枚。

めちゃめちゃいいけど背景にニュアンスが欲しいとカメラマン。

雲母摺りペーパーを出します。

そして再撮影。

レーザーも翼も出して盛り上がりますが、

やっぱり風と雲母摺り背景がちょうどいいようです。

登場人物

右下の歌詞係

右下の歌詞係は

喜多川歌麿がモデルと考えられます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にも『びじゅチューン!』作品のモデル・元ネタをまとめて紹介しています。

そちらも是非ご覧ください。

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