『鶴下ウェイ』の元ネタ・モデル『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』を解説

鶴下ウェイ_鶴下図和歌巻

今回は『鶴下ウェイ』の元ネタ・モデルの『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』を紹介したいと思います。

それではよろしくお願いします。

『鶴下ウェイ』の元ネタ・モデル

タイトル鶴下絵三十六歌仙和歌巻
(つるしたえさんじゅうろくかせんわかまき)
作者俵屋宗達(たわらやそうたつ)
本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)
制作年17世紀(江戸時代)
材料/技法紙本金銀泥
寸法34cm×15.3m
所蔵京都国立博物館

『鶴下ウェイ』のモデルは『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』です。

この作品は、絵を俵屋宗達が、文を本阿弥光悦が描いた、いわばコラボ作品と言えるでしょう。

13.5mもの長さをほこる巻物です。

現在は京都国立博物館に収蔵され、国の重要文化財に指定されています。

フルバージョンは京都国立博物館のページにあります。

では『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』に描かれているものをみていきましょう。

俵屋宗達が描いた「鶴の群れ」

『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』は俵屋宗達のアイディアの面白さが際立つ作品です。

俵屋宗達の代表作『風神雷神図屛風

巻物にはひたすら鶴が描かれています。

鶴の数は100羽以上。

クチバシと足には金泥(きんでい)と言われる金を粉にして混ぜた絵具を使用し、

体は銀泥(ぎんでい)と呼ばれる銀を粉にして混ぜた絵具を使用しています。

巻物の初めは陸地に群れ成す鶴。

やがて鶴は飛び立ち、画面外へ。

そして再び画面の中に降りてきます。

そして、海上をしばらく飛び

今度は雲の上に一気に上昇して、また海上に降ります。

最後には足を水に浸して休憩します。

鶴のこの一連の流れを俵屋宗達は現代のアニメーションのように巧みに巻物の特性を活かしました。

本阿弥光悦が書いた「三十六歌仙和歌」

尾形光琳作『三十六歌仙図』

その鶴の絵の上に書かれているのが本阿弥光悦の書です。

書の内容は36文の和歌。

藤原公任の『三十六人撰』(さんじゅうろくにんせん)に選ばれた、平安時代の和歌の名人の歌が書かれています。

巻の冒頭柿本人麻呂の和歌

ほのぼのと明石の浦のあさ霧に島がくれゆく舟をしぞ思ふ

『三十六人撰』秋本人麻呂
秋本人麻呂は百人一首にも選ばれています。

から始まり、36もの歌を一発で書いた本阿弥光悦の書の腕も見事です。

最初は緊張していたのか秋本人麻呂(秋本人丸)の「人」の字を書きそびれています。

またそれも味になっていて、いいですね。

『鶴下ウェイ』のまとめ

『鶴下ウェイ』の元ネタ・モデルは『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』です。

鶴の一連の動きを巻物以上の世界で描いた俵屋宗達。

そこに重ねるようにリズムと教養豊かに書いた本阿弥光悦。

彼らのコラボレーションが生み出した名作といえるでしょう。

『鶴下ウェイ』の登場人物・小ネタ

古文の先生がふと窓を見ると、和歌の道と鶴の道が見えます。

海岸沿いの鶴下ウェイを髪の毛をプロペラにしながら回し、たどり着く先には一体何があるのでしょうか

登場人物

古文の先生

『鶴下ウェイ』でついにあの特徴的な古文の先生が主演を務めました。

髪の毛はプロペラになって飛ぶことができるんですね。

『睡蓮ノート』や『ひそひそと秘儀の間で』でも出演しました。

DJ配達員

渋滞に巻き込まれていいましたね。

DJと配達員の顔を持つ彼女はDJとして『鮭ミラーボール』、配達員として『再配達には金印を』で出演しています。

風神雷神

風神雷神図屏風デート』でおなじみの風神雷神がファミレスでデートをしていましたね。

彼らのデートは他の作品でも見ることができますので、探してみると面白いです。

ぬいぐるみとして一瞬出る作品もありますよ。

右下の歌詞係

右下の歌詞係は鶴の絵を担当した俵屋宗達と、文字を担当した本阿弥光悦が交互に歌詞を持っていましたね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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