猫の絵画で有名な作品を紹介!江戸のあの絵師も猫を描いています。

猫の絵画で有名な画家や作品を紹介します。

猫のブーム以前から、人は猫を飼っていました。

そしてそんな身近な猫を描くということはとても身近なことだと思います。

そんな猫を描いた有名な作品を紹介していきたいと思います。

それではよろしくお願いします。

猫の絵画で有名な作品

長谷川潾二郎作『猫』

まず一匹目の有名な猫の作品は、

長谷川潾二郎作『猫』です。

上の画集の表紙になっている眠っている猫の作品です。

作品名
作者長谷川潾二郎
制作年1966年
素材/技法キャンバス
サイズ不明

モデルは飼い猫の猫「タロー」です。

1966年に描かれたこの猫は描くまでに6年もの歳月をかけて描きました。

どうしてそんなにたくさんの時間を費やしたのか。

それは、彼の描き方にありました。

彼は、愛猫タローが同じ時期、同じ時間、同じ場所、同じ姿勢のタイミングの時だけにしっかりと観察し描いたものなんです。

かなりのこだわりですね。

しかもよく見ると片方ひげがありません。

これも彼のこだわりである、実物を見ながらしか描かないということからきています。

『猫』はある画商が気に入って買わせてほしいと言ったのですが、何度言っても長谷川は完成していないからと言って譲りませんでした。

ある時画商が訪れると、長谷川はタローが死んでしまうことを伝え、もう描けないことを伝えました。

しかもそれはひげが描かれていません。

画商はひげをどうしても描いてほしいと長谷川にお願いすると

しぶしぶ猫にひげを描きました。

しかしかたほうだけ描いてもう片方はまったく描かずそのままにしてしまったのです。

これ以上描きそうになさそうなので、その作品は片方のひげがないまま、画商が譲り受けました。

この出来事から、猫のタローには片方のひげがないのです。

キジトラ模様の猫の頭部の黄色・茶色から、背中のグレーにかけたグラデーションがキジトラ猫の特徴をよくとらえています。

眠る姿がすごく幸せそうですよね。

藤田嗣治作『争闘(猫)』

次に紹介するのは藤田嗣治(ふじたつぐはる)作『争闘(猫)』です。

作品の画像はこちら

作品名争闘(猫)/そうとう(ねこ)
作者藤田嗣治(ふじたつぐはる)
制作年1940年
素材/技法油彩画
サイズ高さ81cm×横100cm
所蔵東京国立近代美術館 (日本)

闘争(猫)は高さ81cm×横100センチの大きさです。意外と大きいですね。

現在は東京国立近代美術館に所蔵されています。

この作品には10匹以上の猫がそれぞれ喧嘩をしている様子が描かれています。

画面全体で猫たちが争う様は、躍動感あふれて、今もけんかしているような存在感があります。

けんかしていると同時に、楽しんでいるようにも見えます。

猫の様々な表情を見ていると、藤田嗣治が猫をよく観察していることが分かります。

画像は著作権の関係上、外部リンクとさせてもらいます。

藤田嗣治は自画像にも猫を入れており、猫の溺愛具合がよくわかります。

他にもたくさんの猫の作品を描いており、「猫 藤田嗣治」と検索するとたくさんの猫作品が見れます。

歌川国芳作『其のまま地口 猫飼好五十三疋』

作品名其のまま地口 猫飼好五十三疋
(そのまま-ぢぐち・みやうかいこう-ごじうさんひき)
作者歌川国芳(うたがわくによし)
制作年嘉永元年(1848年)
素材/技法浮世絵(木版画)
サイズ
所蔵

次に紹介するのは歌川国芳作『其のまま地口 猫飼好五十三疋』(そのまま-ぢぐち・みやうかいこう-ごじうさんひき)』です。

まさに猫づくしと言えるこの作品は、猫がたくさん描かれているのですが、どういう意味があるのでしょうか。

東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)をご存知でしょうか。

歌川広重作『東海道五十三次』のうちの「日本橋」

東海道五十三次とは、江戸時代に整備された道路のうち、東海道と呼ばれる道に配置された53の宿場のことです。

その宿波の名前をそのまま地口(つまり語呂合わせ)で猫の仕草を表現した作品です。

つまり53匹の猫がこの作品の中にいるわけですね。たまりません。

猫が好きな人なら55匹の中から好きな猫の仕草が何個かあるんじゃないでしょうか。

ちなみに私は保土ヶ谷(程ヶ谷)の「のどかい」で猫がのどをかいていて、

猫ふぐりがちらっと無防備に見えているところが好きです。

猫ふぐりがチラッ・・・

作品名も「東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)」をもじって「猫飼好五十三疋(みやうかいこう-ごじうさんひき)」としていますね。

歌川国芳の自画像とされているものにも猫が描かれていますね。

歌川国芳は大の猫好きとも知られていて、

常に5,6匹の猫を飼っていて、懐に子猫を抱きながら絵を描いていたそうです。

この「猫飼好五十三疋(みやうかいこう-ごじうさんひき)」の総勢55匹の猫を下にまとめました!

好きな猫をみつけてみてください!

ライターイチオシ!「ユリウス・アダム」

猫の絵画の中で、他の三人ほど有名ではないですが、

「猫のアダム」と呼ばれたユリウス・アダムと呼ばれる猫の画家がいます。

とにかく彼の描く猫はかわいい。

それに猫への愛情が感じられます。

彼の他の作品は下の記事にありますよ!

猫の作品は多いけれど、、、

猫の作品は探してみるとたくさんありました。

しかし、今回紹介した作品は比較的新しいものが多いです。

なぜかというと、実は昔、猫はヨーロッパでは○○の化身として見られていたという経緯があります。

これについてはまた別の記事で紹介しているので、そちらで是非確かめてみてください。

日本画の猫でこれだけは押さえておきたい二匹の猫を紹介しています。

猫好きなら、あ!すごい!と感じていただけると思います。