びじゅチューン!『祖母のコロッセオハット』の元ネタ『コロッセオ』を解説

みなさんこんにちは、岩下 幸圓(イワシタ コウエン)です。今回はびじゅチューン!『祖母のコロッセオハット』のモデル『コロッセオ』を紹介したいと思います。

一体コロッセオはどういう風に使われていたのでしょうか。

それではよろしくお願いします。

『祖母のコロッセオハット』のモデル『コロッセオ』の概要

建物名コロッセオ
(コロッセウム・フラウィウス円形闘技場)
制作者(指導者)ウェスパシアヌス、ティトゥス
建築年西暦80年頃
材料/技法ローマン・コンクリート(古代コンクリート)
寸法長径188m×短径156m×高さ52メートル
所在イタリア・ローマ

コロッセオは西暦80年ごろに建築された巨大な円形の建物です。大きさは長径188m×短径156m×高さ52メートルの楕円形をしています。

中心には見世物ができるようにステージがあり、

その周りを囲むように5万人が収容できる観客席があります。

制作指導者はローマ皇帝ウェスパシアヌス、ローマ皇帝ティトゥスの二代にわたり建造されました。

しかしこんな大きな建物、一体どんな理由があって建造されたのでしょうか。

それには大人のある事情がありました。

コロッセオは何のために建設したのか

コロッセオを建築したのにはある人々を味方につけるためなんです。

そのある人とは市民のことです。

ローマ皇帝ウェスパシアヌスが皇帝になったころ、ローマ帝国は以前のローマ皇帝ネロ(暴君ネロ)によって荒れに荒れていました。

ネロの頭像

お金はない、都市の復旧もできない、おまけに市民の信頼もないとひどい国だったわけです。

そこで思いついたのがコロッセオで市民と仲良くしよう作戦です。

コロッセオで市民と仲良くしよう作戦

どういうことかと言うと、市民たちにコロッセオと言う娯楽施設を提供しました。

そうすることで、市民たちは

今の皇帝めっちゃいいやつやん

となるわけです。そうすると、市民の皇帝に対する人気や信頼が向上し、政治に対してもあまり文句を言わなくなります。

さらに言ってしまえば、娯楽に目がくらんで政治に関心を持たせないようにしたのではないかと考えられます。

ではそんなコロッセオではどんな「娯楽」があったのでしょうか。

(グロテスクな表現があるので苦手な方は絶対に見ないでください。下のリンクで「コロッセオの構造」まで飛べます。)

コロッセオの内部構造まで飛ぶ

コロッセオで行われた血の娯楽

コロッセオには中心に円形のステージがあり、それを取り囲むように5万人が収容できる観客席があります。

その中心では様々な演目が開催されていました。

人間VS人間の戦い

コロッセオと言われるとこのようなものを想像するのではないでしょうか。

ジャン=レオン・ジェローム作『Pollice Verso』

まず、人間を複数人、闘技場の真ん中にいれ、人間同士で戦わせ、それを見ることで観客たちが楽しみます。

ちなみにコロシアムで戦う人間のことを剣闘士(グラディエーター)と呼びます。

ジャン=レオン・ジェローム作『Pollice Verso』で観客が、こぶしを前にし、親指を下に突き出している動作が見えます。

これは剣闘士に対して、瀕死の相手に「とどめを刺せ」というジェスチャーです。

コロッセオを舞台にした映画『グラディエーター』では剣闘士VS剣闘士の戦いを再現しています。

余談ですが、コロッセオに出場する剣闘士は胸の部分を空けた鎧か、上半身裸で戦わないといけないそうです。

理由としては、普通の鎧を着ると長期戦になってしまい、観客が退屈します。なので退屈しないようすぐに決着がつくようにと言われています。しかも血しぶきがよく見えるので、観客たちは喜んだそうです。

かなり工夫されていますが、恐ろしいこと考えますね。

海上戦

一説によるとコロッセオはステージに水を引き、模擬海戦ができたと言われています。

ギリシア人とコリント人で行われていた海上での戦争を再現したりと、とにかく大きなことをしています。

動物VS剣闘士・動物VS動物

また、剣闘士の他、動物にも戦わせる演目もあります。

動物はサイ、カバ、ゾウ、キリン、ライオン、トラなどとにかくありとあらゆる動物を参加させました。

虎と戦うグラディエーター

コロッセオが使用されている間ではたくさんの動物や剣闘士がコロッセオに参加しました。ある戦争の勝利を記念した123日間に及ぶ演目では動物11000頭、剣闘士は10000人が参加したとも言われています。

動物と人間では狩猟と題して、野生の動物を狩るまでの流れを模擬的に行いました。その時、木や植物、建物などもステージの上で再現していたそうです。

それほど作りこむことによって観客にエンターテインメントを提供しようとしていたのでしょう。

コロッセオの内部構造

コロッセオの内部には中央のステージにものを挙げるための人力のエレベーターや、前述したようにそれを取り囲む形で5万人の観客を収容できる客席があります。

コロッセオの断面図。中央がステージでそれを取り囲む観客席

お椀のように周りが膨らんでいるので、後ろの席の人が中央のステージで行われている演目を見ることができます。

座る席は階級の高い人が最もステージから近く、後も階級順に並んでいます。

コロッセオ断面図:左側が中心で、前の席には元老院・騎士、裕福な市民、一般市民が座っています。

また、日よけをするために天井に幕を張れるようにできています。

まとめ

『祖母のコロッセオハット』もモデル『コロッセオ』は古代ローマ時代に建てられた建造物です。

50000人の観客席、人力のエレベーターや天幕が張れます。

コロッセオは皇帝の人気を取るための娯楽施設として建設されました。

中では人間や動物たちが戦う見世物が行われていました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にもびじゅチューン!に関する記事を掲載しています。まだ下の記事を読んでない方、まずはこちらをご覧ください。

また、この記事の下では『祖母のコロッセオハット』の小ネタや登場人物を掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。

『祖母のコロッセオハット』の小ネタ・登場人物

登場人物

祖母

Amazonでふみちゃんとして販売されています。

『祖母のコロッセオハット』の主人公です。本名は「宮本ふみ」と考えられます。

この登場人物は『祖母のコロッセオハット』のほか、『耀変天目ディスコ』や『鮭ミラーボール』でダンスをしていたりしています、

『松林ズ』ではライブを見ていたり、『人を真似る瓶』にも出演。さらに『特急三日月宗近』では旅行をしているところも目撃できます。

右下のテロップの人

右下にいる人は人力のエレベーターを動かしていたと思われる男性です。

小ネタ

ブラッケンゴールドのおじいちゃんの奥さん

『祖母のコロッセオハット』に登場する中に、ブラッケンゴールドボックスでおなじみの『住んでます八ツ橋蒔絵硯箱』のおじいちゃんが一緒に映っています。

このことから、二人は夫婦であることがうかがえます。

ちなみにこのおじいちゃんは宮本なので、もし貸したら祖母の名字も宮本の可能性があります。(断定できないのは井上涼さんの作品には多様なつながりが表現されているためです。)

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